前回「生活習慣を見直す」とは
「頭痛は不規則な生活リズムや食生活、ストレスが原因となって発生している可能性があります。」
このように記載致しました。
これは、古い時代からの考え方であり、これがなぜ現代においても重要なのでしょうか この点について、今回は述べていくことにします。
片頭痛とは、全身的なミトコンドリアの機能障害によって起きてくる頭痛です。(この点は、http://taku1902.jp/sub001.pdf をご覧下さい)
片頭痛のひとつの要因として、新陳代謝やエネルギー代謝など代謝の低下があげられます。この代謝の低下を引き起こし、また、片頭痛を悪化させるひとつの要因と考えられているのが、エネルギー産生能力の低下です。
私たちの体は、およそ60 兆個にものぼる細胞から成り立っています。これらの細胞は、
わたちが日々生活を送るために必要なエネルギーをつくり出しています。
各細胞内では、食物から摂取した栄養素を酸素が燃焼させてエネルギーを生み出してい
ます。栄養素をきちんと補給してそれを燃焼させるというサイクルをしっかり回さなけれ
ば、細胞はエネルギーを生み出せなくなり、人は生きていくことができません。また、私
たちの体のほとんどの部分では、常に新しい細胞が生まれ、古い細胞と入れ替わっていま
すが、こうした細胞の入れ替わりのサイクルも、生命維持には欠かせない仕組みです。
細胞はひとつの生命体です。細胞自体がいつも元気に活動することでエネルギーが生まれ、新しい細胞もつくられていきます。
エネルギーは、細胞内に存在するミトコンドリアという小器官の中で、栄養素が酸素で燃焼されることによって生み出されます。ひとつの細胞に含まれるミトコンドリアは50
から200 ほどです。
ミトコンドリアによるエネルギー産出量は、私たちが必要とする全エネルギーの95 %にものぼるため、ミトコンドリアは「生命のエネルギー工場」と呼ばれています。骨格筋や心臓、肝臓、腎臓、脳などエネルギー代謝の盛んな臓器・器官の細胞ほどミトコンドリアの数は多く、それだけたくさんのエネルギーをつくり出すことで、筋肉を動かしたり、心臓を働かせているわけです。
そのためエネルギーをつくり出す能力が低下すると、さまざまな形で人の活動は支障を
来します。
片頭痛は、こうしたミトコンドリアの働きが悪くなって起きてくる頭痛です。
このため、ミトコンドリアがエネルギーを作りだすためには、栄養素をきちんと補給してそれを燃焼させるというサイクルをしっかり回さなけれ
ば、細胞はエネルギーを生み出せなくなり、人は生きていくことができません。
こういった理由から「食生活」が重要な位置を占めていることになり、ここが最も重要な点です。エネルギー産生のために必要な「栄養素・ビタミン・ミネラル」をバランスよく摂取することが最低限必要になってきます。
また、ミトコンドリアを元気にする絶対必要条件として”十分な睡眠”が大切になります。十分な睡眠が確保できなければ、ミトコンドリアの機能は維持出来ません。
ミトコンドリアの働きの悪さは、さらに「セロトニン神経系」の働きにも影響が及んできます。こちらをご覧下さい
共存症としてうつ病、パニック障害、不眠症、冷え性、睡眠時無呼吸症候群、肥満、等々が挙げられますが、これらはいずれもセロトニンに関連したものです。
「脳内セロトニンの低下」により脳が過敏になり、本来は痛くない刺激を痛みと感じる
アロディニア(異痛症)が、片頭痛発症後5年くらい経過して出現することがあります。
このようなさまざまな共存症を併発してきます。
また、脳内セロトニンを産生するためには、必要な「栄養素・ビタミン・ミネラル」をバランスよく摂取することが最低限必要になってきます。
こうしたことから、「必要な「栄養素・ビタミン・ミネラル」をバランスよく摂取することと睡眠が重要となってきます。これが従来の「生活指導」に取り入れられていました。
また、ストレスの多い生活を送っていますと必然的に「脳内セロトニン」が低下し、マグネシウムの枯渇が引き起こされてきます。そのため、結果的に”片頭痛を悪化させる”ことに繋がってくることになります。
さらに、ミトコンドリアの働きの悪さは脊柱起立筋の「筋肉性要因」として、セロトニンは脊柱起立筋の「神経性要因」として関与することによって、「体の歪み(ストレートネック)」を併発してくることになります。以下をご覧下さい。
これら3つが、片頭痛の発症要因となってきます。
このように、従来の「生活指導」の内容には、これらのことが含まれていました。
これが、基本的な事項となっていることを忘れてはなりません。