新堂冬樹 著 「血」を読んで 2 | ひさしのブログ

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謙一の死後、亡き母麻里子の姉にあたる伯母の律子の家に預けられた沙耶はこれまでとは違って裕福な豪邸暮らしを享受するようになるが、ここでもまた伯母の律子の冷血な態度を実感するようになる 律子は夫を尻に引き威圧感をもって沙耶にも接するようになるが、一方で温厚そうに見える夫の亨に多少心を動かされるようになる

そして律子の娘で聡明そうに見える香織に、以前姉のように慕っていた亡き真緒のの面影を感じるようになり、香織に特別な感情を抱くようになる、しかも香織は妊婦で自堕落な夫は香織を捨てて逃げたという、律子といがみ合い口論を続ける香織に惹かれるようになる沙耶、だが実はこの香織も天使の仮面をかぶった悪魔であった

当初は律子と対峙する香織に惹かれていた沙耶であったが、香織自身が無能な夫を追放し律子の財産を狙って律子を殺害しようとしている香織の本性を知ると、再び例の如く血の宿命を断つための殺害を心に抱くようになる

更に一見温厚そうに見える亨もまた気弱なただのロリコン親父という事実を知ると、これもまた排除する存在と考えるようになる

律子や亨の殺害のために共闘しようという香織の誘いに乗った沙耶は、ヤンキー女子と援交する亨を尾行するが、亨は愚連隊のヤンキーにぼこぼこにされる 瀕死の重傷を負った亨、だが彼はまだ生きていた しかし沙耶の残忍な心が亨の殺害を実行させる

コンクリートの道路に何度も頭を打ち付けられた亨は脳漿を垂れ流して悶死する

無事に亨を殺害した沙耶だったが、実は愚連隊は香織の差し向けた刺客であり、沙耶の残虐なシーンは香織にまんまとスマホに撮影されていた

その為に沙耶は香織の律子殺害のための捨て駒に利用される

律子殺害の計画は着々と進んでいたが、沙耶には香織を溺愛する中年婆の🐽女の島江がアイボーとして宛がわれるが、島江もまた香織にとってはただの捨て駒であった

クレーマーを装い律子の会社に乗り込んだ沙耶と🐽の島江はうまく律子を誘い出し車に同乗させる

ここで沙耶はうまく車から脱出して律子は🐽の島江もろとも車に仕掛けられた爆弾で爆死する

更に本命である香織殺害に向かう沙耶であったが、香織は村西という愛人に沙耶の殺害シーンを撮影したCDを託して、我が身の危険を乗り切ろうと考える

だが用意周到な沙耶は村西を見つけると、例の如く残忍な方法で斬殺する

何度もスタンガンを押し付けもだえ苦しむ村西に🔨を振るい陥没したづ骸骨を🔨🔨🔨して脳漿が飛び出たところを「白い欠片」が飛び散るまで殴りつける

新堂さんの表現もすさまじいが、その表現に沙耶の凄まじい悪魔の心を感じる

こうして村西を惨殺した沙耶はついに香織の部屋に忍び込むと火を放って香織を焼死させようとする

凄まじい煙と烈火にもだえ苦しむ香織は命乞いをするが、人心など既に捨てている沙耶はそれを拒絶して本命を遂げる

だが既に飛び火した火力は沙耶も巻き込み朦朧とする中で覚醒した沙耶は最後の標的である、杏の殺害を実行するために立ち上がろうとする

ストーリーはここで終わるが、沙耶という一見あどけなく思える女子高生の悪魔のような思考や行動に底冷えがしてくる

流れる展開に引き込むような過激な新堂さんの表現もすごい

最近は美少女が主人公の戦隊もののアニメとかドラマとか流行しているが、こういう小説が生まれるの事も今の世の世情を十分表しているように思える