このたびの悲報を知り、

いまだに信じられず呆然としています。

いつでもお会いできると思い、

ご無沙汰を続けていたことが悔やんでも悔やみきれません。

 

あなたはとても厳しい方でした。それは誰より自分自身に。

人や社会や時代に対して深い洞察力で本質を見抜き、

決してぬるいことは言わず、それでいて本当に愛のある方でした。

仕事人としての私を、誰より理解してくださっていたのもあなたでした。

「あいつはな、お金がたくさん欲しいとか人の上に立ちたいとか、

 そんなことは全く考えてないやつだぞ。

 ただ “いい仕事がしたい” としか思ってない人間だ。」

私のことをそう話していたと人づてに聞いたあなたの言葉は、

今でも私の宝物です。

誰よりあなたのChildrenだった私は、

あなたが社長の座を追われた会社を辞した後も、

当時の幹部からマークされ、

そんな私をあなたはことあるごとに気にかけてくださり、

相談に乗ってくれ、「本を書け」と勧めてくれました。

 

毎年いただいた年賀状をあらためて読みなおし、

いつも心にとめてくださっていたこと、期待もしてくださったこと、

言葉にならないほど感謝しています。

2年前にいただいた年賀状には、

私からは数年あえて触れないようにしていたものの

さすがにいい加減しびれを切らしたのか、

「本を書くことをあらためておすすめします」と一言添えられていました。

偶然だけれどそれを受け取った日の朝、目覚めた時に、

なぜかあなたに昔言われた言葉が一気によみがえってきたのを思い出します。

自分の中では正直、いろんな理由をつけて

「書く」という作業をほぼ断念しようとしていたけれど、

自分で自分を見損なわないですむように、

あと少しだけジタバタしてみようか…

そんな気持ちにさせてくれるチカラを、

あなたの言葉は未だに持ってるんだなと気づかされました。

今、私の周りにあんな言葉を発する人がいないことも。

私にとってやっぱり今でもあなたは師匠です。

 

私の仕事人生に、

かけがえのないものをたくさんいただきました。

もっと早くにそのことをお伝えできていたら、

そして不出来な弟子を叱っていただけたらと、

今となってはもうかなわないことですが。

今まで本当にありがとうございました。

何もお返しができていないことがただ悔やまれてなりませんが、

どうしたら報いることができるのか、

残りの人生をかけて考えていこうと思います。

私にとってあなたはこれからもずっと、

人生の師匠であることに変わりありません。

ふがいない弟子ではありますが、

きっとどこかで見守っていてくださると信じ、

あなたに恥じない生き方をしたいと思います。