亜「今年ももう始まって、速報も発表されたね…」
由依「あたしは…相当厳しい状況ですね…」
大「…。」
大「こんなもの…!」
大「…こんなもの!!!!!」
佐「待てよ大輔。投票券をぐしゃぐしゃにして投げ捨てる気かい?これは、りんちゃんを輝かせられる可能性が秘められてる物の1つなんだよ?」
大「でもこんな…メンバーの価値を決めつけるような物…!」
玲「でも総選挙がなかったら、ずっとチャンスを掴めないかもしれない子だってたくさんいるんだよ。」
大「んなこたぁ分かってんだよっ!」
玲「けど総選挙を通さないと想いを伝えられないファンだってたくさんいるんだよ?」
大「あぁそうだよ…!俺みたいな奴は投票権でもなけりゃただ指を食わえて黙って見てることしか出来ないんだよっ!これがあるから輝くことが出来るメンバーもいる…でも総選挙のせいで、心に相当大きな傷を負ってしまうメンバーこそたくさん存在してるんだっ!!!!!」
玲「それはそうだけど…初めて総選挙が開催されることになった時、最初から好きで争うことを望んだ子がいなければ、投票することさえしないでただの紙くずとして投げ捨てられることを望んでる子だっていないんだよ。」
亜「…亜樹ね、もう出馬すること自体なくなったからこんなこと言うのかもしれない。でも聞いて…今ここで、大ちゃんが何もしないで投票券を捨てたら、投票したくても投票できないファンの人たちの想いまで捨てることになっちゃうと思う。わざわざ投票券を手に入れたのにそんなことするなんて…嫌だよ…何のために投票券手に入れたのか分かんないもん…。」
佐「あきちゃの言う通りだよ。捨てようと思えば捨てることはいつでも出来るし、ただ指を食わえて黙って見てることだって誰にでも出来るよ。」
玲「でも今は、何かしたくてもなにも出来ない人たちの分まで…柏木さんに頂点に立ってもらいたいんなら、1人でも多くのファンの想いを背負って、投票することで戦ってく必要があるはずだよ。」
大「…。」
玲「大輔君は、もう迷わないんじゃなかったの…?柏木さんのために…」
大「…。」
一同「…。」
……………………………………………………………………………
大「…だめだ…みんなの言いたいことは分かってるんだよ…でも今は…!」
佐「…分かった、悩んできなよ。大輔自身、納得いくまで。」
大「うん、頼むよ…しばらく、1人で考えさせてくれ…」
タッタッタッ…
由依「佐江ちゃん、よかったん…?」
佐「うん…大輔なら出してくれると思うんだ。りんちゃんのためになる答えを。」
玲「…。」
タッタッタッ…
亜「玲奈ちゃん…?」
タッタッタッ…
由紀「みんな、ごめん…今日も遅くなっちゃっ…あれ?今日も大ちゃんいないの?今日は玲奈ちゃんも…ねえ、何かあったの…?」
佐「…実は。」
『僕が私が一票入れてもなぁ…なんて思わないでください!』
大「そう思って、今年は少なくとも、初日で20票近くは入れたんだ…でも速報の結果は、思ってたより厳しい現実を突きつけられるものになってしまった…1票入れればなんとかなるほど甘いもんじゃなかったんだ…このまま、良くない結果を聞かされることになるのか…?」
玲「だったら、大輔君はどうしたいの?」
大「…え…?」
玲「大輔君が総選挙に参加する側だとして、誰にも投票されることなく投票券を捨てられたって聞いたら、どんな気持ちになるの…?」
大「…それは…。」
玲「誰にも悲しい想いをさせたくないのなら、私は、私にとって大切だと思える子に、1票だけでも投票するよ。」
大(…ちゅりのこととか…?)
玲「SKEのメンバーの誰にも投票してくれないのは寂しいし、私より柏木さんのことで頭の中が一杯なのは悔しいけどね…」
大「え…?今なんて言ったの…?」
玲「…ううん、別に♪要は、大輔君がその投票券をどうするかが、大事なのかってことだよ♪…それじゃあね♪」
タッタッタッ…
大「…投票券をどうするかが、か…。」
とみた