溶接職人JINの「ものづくり」放浪記 -267ページ目

コレハナンデスカ?

最近、ちょっと面白い物を作り始めています。



いくつかのプロジェクトに参加させていただいている中の
一つなのですが、
コノコ達は一体、何だと思いますか?










実はこれ、ステンレスで作った半球なんです。


このような半球型の製品は、
小さい物であれば「東急ハンズ」さんで売っているのですが、
写真じゃちょっと大きさが分かりづらいと思いますが、
これは外径が800φもあるので、
今回、専門の加工業社さんに発注して作ってもらいました。



この半球型を作るとき、
大きさによって、加工のやり方が何種類かあるのです。






例えば、これは外径が100φのモノなのですが、
「へら絞り」という加工で作りました。
この「へら絞り」という加工は、聞いた事がある方もいるかもしれませんが、
ロケットの先端部分に使われたりしている、
世界に誇る日本の技術の一つです。



何が凄いって・・・
一枚の板から、このような半球のカタチにしてるんですよ!!
しかも、外径の寸法の正確さと言ったら、
見た目ではほとんど分からず、「ノギス」という
寸法を測る道具を使っても、1/100での誤差しか無い程
素晴らしい技術なのです!!






そして、今回の半球は大きさがかなり大きいので、
「プレス加工」で作ってます。
これも、一枚の板からプレス機でたたき出して
このような形状にしていくのですが、
見事なくらいきれいなRが出ています。



真ん中に線みたいのが入っているのは、
寸法がかなり大きい為、一回の「プレス」で半球を作る事は出来ないので、
半球の半分の形状の物を「プレス加工」で作って、
それを溶接加工で組み合わせたからです。






どうです?
なかなか面白いでしょ?






僕たち金属加工の世界では、
一つの製品を作るのに、様々なヒトと技術が必要となります。
僕たちの「モノづくり」は、
一つの会社や一人の職人では決して出来ないので、
チームワークがとても大切になります。



この製品にかかわる誰か一人でも、
「これくらいでいいや」って思ったら、決して良い仕事は出来ません。



この技術のバトンを受け取ったので、
今度は僕の溶接技術で、奇麗な製品が出来るように頑張らねば!!






受注生産の製品に関しては、
やはり守秘義務があるので、なかなか作業風景が紹介出来ないのですが、
この製品に関しては自分でデザインした物なので、
作業風景をちょこちょこブアップして行きたいと思いますね。



7月中旬の完成予定です。
完成形がどのようになるか、楽しみにしてくださいね。