アキレスと亀/北野武
北野武の映画は結構観ているが
毎回観る度に作品が衰弱しているように感じてしまう。
(ピークは『HANABI』か)
特に『DOLLS』以降はそれが顕著に映る。
今回もそうだが作品を創作する事の困難さと
それが誰にも認められないという寂寥と
一種の開き直りしか描かれていない。
武の映画は【歩く】という行為が映画の核を成していた。
処女作の『その男、凶暴につき』から常に登場人物は歩き続け
ある場所に留まった瞬間、映画は唐突に終焉へと向かった。
しかし『座頭市』以降、武の映画に歩くシーンは消えてしまった。
(終盤で披露されるタップダンスは前に進む事なく
その場でただ足音を踏み鳴らすだけ)
『アキレスと亀』も歩く事を拒否しその場に留まり続ける映画だ。
主人公は歩く事を拒否しただ絵を描き続ける。
しかし何処にも進めないとしても
誰にも認められないとしても北野武の映画は歩き続けるべきだし
そうあって欲しいと思う。
