ぐるりのこと。/橋口亮輔
橋口監督6年ぶりの新作。
作品の完成度は非常に高い。
しかし圧倒的に世界が閉じている。
主人公を演じるリリー・フランキーの職業法廷画家は
世界と繋がる事を必要としそれによって機能するのに、スクリーンと世界が接続していない。
だがこの映画に関してはそれでいいのかもしれないとも思う。
確かに世界は閉じていてランドスケープも感じられない。
だがその閉じた世界に一人で引籠もらず『二人』でいる事こそが重要ではないだろうか。
『二人』/『世界』という関係。
それは夏目漱石の『門』にも通じると思う。
世間からは隔絶されて
金銭的にも精神的にも不安や不満を矜持して
ただ日々がだらだら続いていくだけだとしても
二人だけのコミューンを持って一緒に居られるなら
それはそれでとても幸せな事だ。
きっと。
