【第10話】
寂しい…。
枕を抱えて孤独な朝を迎えた。
たった3日間連絡がこないだけなのに
永遠の別れを告げられたごとくに感じられた。
私が手紙に
大好きって書いて
あなたがそばにいてくれるなら犠牲はいとわないって書いて
その気持ちが伝わったのか
彼女とのプリクラを携帯からはがしてくれた。
でも一方で
「もう俺真菜をかばいきれねえから」の捨て台詞残し、その日を境に連絡がこない…。
5万円を用立てしてあげなかったら?…今の私に5万円は大金なのになぜわからないんだろう。
自分はどう思われているんだろう…
…
あきらめの気持ちもわいてきた頃卓弥からやっと電話がきた。
「卓弥!どうしたの?無事?」
…電話の向こうの卓弥は激しく苛立っていた。
「お前どうするんだよ!5万円用立てできねえせいで大変な事になってんだよ!」
…「どうしたの?」
ショックだった。やっと声が聞けたのにいきなり怒鳴られるの?いきなり責められるの?何なの…
電話口で仲間が横から何やら口をはさんでいる。
やがて卓弥の電話は取り上げられ
私はその仲間に怒鳴られた。
「てめー卓弥が好きだの犠牲はいとわないだの書いてたじゃないか!なんで実行しねぇんだよ!」
…最悪( ̄○ ̄;)…手紙読まれる事を想定できなかった自分を恥じた。
「これ以上お金は無理です!」
「てめーには仕事があるし家もあるだろう?卓弥は家にも帰れないし仕事もしてねえんだよ!てめーも卓弥が好きならもっと貢いで卓弥と同じ目にあえよ!」
…金貸しは仕事じゃないの?私をマックスの金原のところに引っ張りだしてしばらく金原と打ち合わせてたじゃないか!私をカモにしてたじゃないか!
口を聞く気も失せて黙って電話を切った。
しばらくすると今度はまた卓弥から電話が来た。
恐る恐る出てみると
「もう知らねーよ!仲間を黙らせようとしたのに、あいつらお前の会社に恐喝に行っちゃったよ!」
…
こいつら集団で頭おかしい( ̄○ ̄;)
関わった自分の愚かさを思い知る。
…
一時間後
会社からの着信があった。
全身が嫌悪感に包まれた。