「日本沈没」

小松左京

初版1973.3 光文社

電子書籍2017.7.20 文芸春秋社


昨年ドラマ化されていて、こんな話だったかな?と再読。

とは言え、初めて読んだのは中学生の頃だったか。

内容はほぼ覚えておらず、

今読み返してみると、詳細に調べ上げてからの小説化されたものであることに脱帽なのである。


日本列島は火山のなんと多いことか。

地球のエネルギーがそれだけ強い場所にあるということでもある。

そんなところにバランスよく浮かぶ日本列島。


沈んでいく直前の田所博士の台詞

「日本人は、人間だけが日本人というわけではありません。日本人というものは、・・・この四つの島、この自然、この山や河、この森や草や生き物、町や村や、先人の住みのこした遺跡と一体なんです。日本人と、富士山や、日本アルプスや、利根川や、足摺岬は、同じものなんです。このデリケートな自然が・・・島が・・・破壊され、消え失せてしまえば・・・もう、日本人というものはなくなるのです・・・」


今、まさに、日本人というものがいなくなってしまうのではないかと焦燥感に似た感情を抱く。


まともな専門家や政治家の活躍を願うばかりである。