シンクロに誘われて | 君が我が子を抱いた時、君に贈る詩

君が我が子を抱いた時、君に贈る詩

もう大きく育った息子達ですが、まだまだ教えられることが多い日々の詩です。

沈丁花は夜になると

もっと香るらしい


冷たい空気の夜に

玄関ドアを開けると

2mほど先の沈丁花の香りが

迫ってきた


柑橘と何か分からないものが

乳化するほど混ざり合ったような

高貴で芳醇な香りが


きちんと整列した空気の隙間を

すり抜けるときに研がれて

清廉さを増していた


見上げれば

冬のダイヤモンド

そのアルデバラン辺りの

ヒヤデス星団の美しさが


まるで眼下の香りと

シンクロしているようだった


僕は前日の夜遅くに

ドストエフスキーの

『カラマーゾフの兄弟』を読了した


その余韻までもが

シンクロしているようで


誘われた僕の体は

心が追いつく前に

ふわっと浮かんでいた