題名の知らない曲 | 君が我が子を抱いた時、君に贈る詩

君が我が子を抱いた時、君に贈る詩

もう大きく育った息子達ですが、まだまだ教えられることが多い日々の詩です。

寝室に行くまでには

まだあと三十分ほどあって

さて何をしようかと


身も心もソファに

斜めに沈み込んでいた時


長男がピアノを弾き出した

題名は知らないけど

低音の多いクラシックの曲


部屋のあちこちで跳ね返った音は

四方から僕の時間を突き刺しては

切り落としていく


もう何も出来ない

もう何も始められない


なのに時計の針は

止まったように

ゆっくりと動いている


この矛盾に満ちた部屋で

なぜか心がほどけて


満開の後にはらはらと

離れていく花びらのように

悔いがない


部屋はもう

題名は知らないけど

三曲目に入っていた