海風 | 君が我が子を抱いた時、君に贈る詩

君が我が子を抱いた時、君に贈る詩

もう大きく育った息子達ですが、まだまだ教えられることが多い日々の詩です。

西日が届いた松林に

海からの生暖かく湿った風


松葉と海風は互いに

何かを手渡して何かを受け取り


松林の中は冷めて乾いた風になり

松は長い時間をかけて海風の形になる


会社としては配置換えして

幾つもの部門で働ける人を育てたい


一つの部門で長く働いた人が

最初から嫌がって文句を言い

最後はやりたくないと言い出した


上司はその都度嫌な気分になって

ため息しか出ない


松林の中を抜けると

川沿いの道に出た


海風で細かく尖った波が

川面を埋めつくしている


水中で何が起きているのかは

全く分からない