episode 6【モーニングアフターピル】 | ダブルヘッダー~ 人妻風俗嬢 10分1000円のプライド [40代の光と闇 ダブルワークで借金返済 そして生き抜き未来を掴む女の物語]

ダブルヘッダー~ 人妻風俗嬢 10分1000円のプライド [40代の光と闇 ダブルワークで借金返済 そして生き抜き未来を掴む女の物語]

閉塞感。
未来の見えない不安。
孤独。
僻み。



アンダーグラウンドと
日の当たる場所の間で生き抜く
オンナの物語。



フィクションか?ノンフィクションか?

ご想像におまかせします。

この仕事をしていると
厄介な事の1つに
『本強』というものがある。
本番を強要される事である。




新人の頃は
毎回と言っていい程
本番を要求された。



因みにここで言う『本番』というのは
つまりSEXを意味する。




他の業種はよく知らないのだが
ヘルスでは当然『本番行為』は禁止。




禁止だし
やりたくもない。




経験が浅い新人嬢の頃
いろんな事を言われた。

「人妻店では本番当たり前」
「皆やってるよ」
「君に魅力があるからやりたいんだよ、誰にでも言うわけじゃないよ」
「なんか寂しいじゃん、恋人気分でいたいのに」
「俺とが嫌なの?」
「◯◯ちゃんと◯◯さんはやらせてくれたよ」
「いくら出したらいいの?」
「また指名するから」





私が一番最悪だなと思った言い訳が
「本番でないとイカないんだよね」





全て断ってきた。





たまたま本当に
事故的に入口辺りに入りかける・・・という事はある。
相手に悪気がない場合や、こちらの技術不足の場合。
そんな時は、お客様の方がびっくりして
「ごめんね!ごめん!」
と焦って離れて下さる。





タチの悪いのが
『事故狙い』で
自分が上に乗ってくる方。
バレバレだ。
「挿れないから」
信用出来る訳がない。




嘘をつく人もいる。
「前はさせてくれたじゃん」
誰かと勘違いしてるのか、とぼけてるのか。





この辺りにしておこう・・・。
キリがない。





モーニングアフターピル(緊急避妊ピル)

1度だけ使った事がある。




入店して間もない頃に
まだ慣れてなくて
お客様が怖くて自分も上手く動けなかった頃。



何も言えず
身体も恐怖で動けず・・・。




店に帰って報告すると
そのピルの事を教えられ・・・。
急いで近くの婦人科に駆け込んだ。







普通のお仕事に比べれば
手にする報酬は高い。
その代わり
背負うリスクも大きい。





10分1000円。





勿論
この業界でなくても
同じぐらいの収入を得ている人もいるだろう。



でも
当時の私には・・・
この仕事で稼ぐしかなかったのだ。





でも
一線だけは
何があっても超えない。
それが私の中での
自分を保つ為の
境界線だった。