以前から息子の問題もあって精神医療、特に精神科病院の閉鎖性や人権問題について意見交換の機会を作ってきましたが、東洋経済オンラインに「精神医療を問う」という連載タイトルで14回の連載が記載されたので、精神障がい者自立支援ネットワーク宮崎で紹介した文章をちょっと改稿して記載しました。
記事のコンセプトは、精神科病院の現場では長期入院や身体拘束など人権上の問題が山積している。本連載では日本の精神医療の抱える現実をレポートしていくという視点で取材された記事。
14回目の最終の記事は『「社会守る」精神病院で人権侵害が続発する大矛盾』ということで取材を通してまとめられた記事が記載されています。
日精協は1949年の発足時、その設立趣意書で精神科病院を「常に平和と文化(と)の妨害者である精神障害者に対する文化的施設の一環」と表現している。つまり精神科病院への隔離収容は、精神病者に対する優生的処置の有効な方法というわけだ。
もし山崎会長(日本精神科病院協会)の発言にあった、社会秩序の維持と保安を精神科病院の役割として強調しすぎると、とうに放棄したであろうこの趣意書の思想へと、精神医療は先祖返りすることになりかねないのではないか。
と記事が記載されているがごとく、現会長は精神科病院が社会秩序を守ってやっている、保安を守るために隔離している、と精神障がい者=犯罪を起こす者=隔離という偏った思考性のある方で、他にも問題発言をする意識の持ち主に、病院内における人権侵害を協会として問いただす自浄作用などない協会であるのは自明の理なのです。
患者の回復より隔離を目的に長期入院をよしとしている精神科病院もあり、国の施策である入院患者を地域に移行させる施策も遅々として進まない現実です。
日本精神科病院協会がコロナに関して全国の精神科病院にアンケート調査したことが新聞に「精神科入院の235人、コロナ重症化で死亡…別の病院に転院できず」という記事が掲載されましたが、転院を断る理由に施設の高齢者と同じで、手のかかる方を援助するだけのスキルとスタッフ不足もあると思いますが、精神障害者への偏見もあると思います。
その偏見や人権侵害に精神科病院協会自体が積極的に解消の為に研修したり改善した事例などを公に発信することもない現実に弁護士の方達が精神障がい者の病院内での人権侵害の問題を踏まえて入院に頼らない地域生活を推進するシンポジウムを開催されます。
10月14日に岡山県で日本弁護士連合会の人権擁護大会シンポジウム「精神障害のある人の尊厳の確立をめざして」が開催されるに先だって、新潟県弁護士会は、同シンポのプレシンポを企画されています。
基調講演は、精神障害のある人の人権について造詣の深い池原毅和弁護士を講師に迎えて開催されます。
(FBに2021年9月掲載)
・東洋経済オンライン「精神医療を問う」
https://toyokeizai.net/articles/-/456826
・10月14日に日本弁護士連合会のシンポジウムの報告書
https://www.nichibenren.or.jp/library/pdf/document/symposium/jinken_taikai/63th_keynote_report1.pd
・日本弁護士連合会の精神障害のある人の尊厳の確立を求める決議文
https://www.nichibenren.or.jp/.../civ.../year/2021/2021.html