息子が2021年3月2日に亡くなった時の記載 | ブルーアイランド

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青い空を撮り続けながら、日々の出来事や出会いを通じて気づいたことを掲載するブログです。

極私的なことですが、長男・拓矢(40歳)が亡くなるというビックリする出来事が起きてしまいました。

急なことでありコロナ禍という事情もあり、告別式のお知らせを控えさせてもらいました。

 

40歳という短い人生でしたが、家族には多くの思い出を残してくれました。

 

20歳の時に精神疾患を患い、その後、親共々20年間疾患・障害からの回復を目指しての戦いでした。

初期の頃、どのように支えて行ったらよいのか、暗中模索の中手探りでしたが、精神疾患の場合、回復は厳しいけど症状を安定させて社会で自立した生活を営むことが可能な事例があったので、そのような居場所や仲間によって徐々に病気の理解、生活のノウハウを身につけて、まずは独り立ちしていくことを推進することが、親なき後に対する不安を解消してくれることになると活動をしてきました。

 

2006年にNPO法人を設立して精神障がい者の方達を支援する活動を始めることにしました。

設立後、法人として理解促進や自立支援などの活動をしながら、もっと継続的な支援はないものか、と色々と調べる中で写真活動による支援を知ることになり、デイケアや支援センターや事業所など月単位で定期的に写真ワークショップを開催する運びになったことも、息子が個人の写真表現だけではなく障がい者の日中支援活動として写真の可能性を導いてくれたのだと思った次第です。

 

活動を続ける中で、家族の立場から家に籠るより日中外出して過ごせる居場所があることが、親にとっても当事者にとっても自立していく過程で必要な活動ではないかと集中的に設立運動しました。

 

その結果、法人として地域生活支援センターⅢ型を設立することができました。

ただ、息子は人とのコミュニケーション能力が衰えていることで、相手を理解する力や偏った考えによって事業所や支援センターなどで過ごすことができないが故に家に籠って過ごすという状況でした。

 

多分、息子と同じように家に籠っている人達を支援するには、家族だけでは限界があり、アウトリーチによる医療・福祉が連携したチームによっての訪問支援が求められていると以前から妄想していましたが、実現には至りませんでした。

 

息子の死によって、無念な気持ちがあるとしたら誰もが地域で独り立ちして、安心できる生活を支える充実した支援システムが構築できなかったことが残念でなりません。

 

今ふりかえれば、息子が精神疾患を患ったことによって、20年間、障害や福祉に関して多くのことを学ぶことになり、私の人生に写真以外の新たな世界を与えてくれたことに対して、息子に感謝しているとこです。

 

南無阿弥陀仏 戒名釋照拓