アートにおける主従関係の解体 | ブルーアイランド

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青い空を撮り続けながら、日々の出来事や出会いを通じて気づいたことを掲載するブログです。

前回の続きで、公募展が成立するとこに旧態依然たるアートに対する権威主義的意識が根強いことが変わらないことを証明していると思える。

 

公募展は、プロとアマチュアのヒエラルキーを示すためにあるようなものだし、プロがアマチュアを評価してプロの権威を示す場なのだ。

 

ただ、アマチュアもそのようなシステムを容認して従属しているとこに憤りを覚えてしまう。

 

障害者支援と一緒で、障害者を一方的に支援されるものと決めつけている専門職や支援者に対してそのような支援を求めていないことを当事者が声をあげることによって旧態依然とした支援の在り方を改革することになり、依存性から自立した当事者活動としてのムーブメントを生み出した経緯もある。

 

それと一緒で、アマチュアがアマチュアとしての特性(生活が懸かっていないので好き勝手に制作できる、縛られた存在でない)を発揮することをプロも容認して積極的にバックアップすることで、表現としての新たな地平が開示され、現代に拮抗する作品が生み出されるのだと思える。

 

あらゆる分野で、上下関係や従属関係を強いられ受け入れる意識を改革すること、与えるという一方的な関係ではなく、お互いが双方向の関係を築き、エンパワーメントを如何に発揮させるかを推進する活動が新たな世界を構築することになると確信している。

 

アートの世界でも障害が有る無いに関係なく一人のアーティストの作品として観ることが求められているし、障害者の作品だから同情的に観るとか、頭からダメというような偏見による風潮を吹き飛ばすためにも障害者が積極的に制作活動に没頭できる環境整備や指導者育成は必然だと思える。

 

そのようなアート支援によって、アートを目指す障害者の経済的、身体的、精神的なハンディをしっかり公助として支援することで、一人のアーティストとしてスタート地点に立つことができると思える。

 

障害者の現状は、社会的に差別や偏見を受けながら、アートを志すことでアートの世界においても差別や偏見を受ける存在になってしまうという現実である。