アート展評・5 | ブルーアイランド

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青い空を撮り続けながら、日々の出来事や出会いを通じて気づいたことを掲載するブログです。

甥のKeiichi Yamadaが、みやざきアートセンターで個展「漂白龍展」を10月15日まで開いているので、午前中に見に行ってきました。

身内なので当然評価する視点で見てしまいますが、そのような身内意識は関係なく、自分の信じる手法で独自の世界を展開していたので、素直な気持ちで評価することができました。

近年、漂白剤を使っての描画にこだわって描き続ける手法は、メジャーでないけど独自性のある手法として自分の世界を構築しつつあり、漂白画の特性を生かして世界を新たに見せてくれることができればオリジナルな手法として評価されることになると考えています

筆に漂白剤をつけて布に描くと白黒の作品が浮き出てくるという独特の白黒の世界は、作者が描きたかった世界を空間に埋め尽くすことで、色のある現実世界から、異次元の世界へと誘ってくれることになり、特にモチーフとして描かれた龍が、布に描かれた平面世界から空間へダイナミックにうごめいていくイメージの世界を構築しているとこに注目した次第です。

俯瞰的に描いた世界もありましたが、個人的には、龍を縦長の布に全てを描かず、拡大して描くことによって、ダイナミックな姿をイメージさせる効果があるし、世界を拡大して描くことで、より内なるダイナミズムを発揮させることになり、新しい表現世界を展開していると感じた次第です。

自戒を込めて思うのですが、アートであれば当然、オリジナルな独自な世界を求めたり、新しく世界を解読や発見した時こそ、個展を開催することができると思っていますが、そのような自己発見もなく、ただ描き続けたり、撮り続ければとよいということではないし、己がぬるま湯やマンネリの世界に浸っていることにさえ無自覚になってしまうことだけは避けたいものです。

アーティストとして、以前の作品から一歩、いや半歩でも新しい世界を描き、作品化して提示することがミッションだと思っています。