二十数年前に契約した終身生命保険があります。今日は契約見直しのため、保険会社に足を運びます。


ところで私はアラフィフなので、60歳の払込み終了まであと約10年、保険料を払います。その後は引き続き規定の最低保証利率以上で死ぬまで運用されるという保険契約です。


現金が必要になった時に解約して返戻金をもらう選択はいつでもできますが、よほどの高利率運用でもなければ、返戻金は累計払込金額よりかなり少なくなります。遺族に死亡保険金として遺す(そして葬式代に充ててもらう)のが多数派でしょう。


人間は必ず死にますから、「ある程度は」必ず取り戻せる支出ですし、掛金を払った分の所得控除もありますが、一部の掛け捨て商品を除き、生命保険は、駄目な買い物とされることが多いようです。


なぜ「駄目」なのか!?


FPの教科書には、当然ながら、そこまでディスる記述はありません。「収支相等の原則」とか、「大数の法則」とかをサラッとみます。実技試験では、入院・手術や死亡で保険金がいくら支払われるか等の問題が出ます。




生命保険の保険料が、「予定死亡率」・「予定利率」・「予定事業費率」という3つの「予定率」をもとに計算されている、ということも覚えます。

予定事業比率」は、保険会社が事業を行うためにかかる経費(社員の給料とかですね)のことです。


保険というサービスを利用しますので、サービス料がかかるのは当然ですが、それ(予定事業比率)がいったいいくらで、保険料の何%を占めるのかは、教えてもらえません


仮にそのようなデータが提供されるならば、生命保険のコスパがどれほどのものか判断可能です。公表されてないということは、消費者にとって不利と考えるのが妥当でしょう(駄目な理由①)。誰しも価格競争のチキンレースにはエントリーしたくないでしょうから、賢い(そしてズルい)やり方ですな。


保険自体、かなりの高額商品です。永年に渡って保険料を支払い、万が一の事態に備えます。「安心を買う」というお金の使い道としては、まぁ正しいと思いますが、「お金に働いてもらう」ためのお金の置き場所としては、良い選択とはいえません。他に有利な商品が出現しても、すぐに買い替え(契約変更・解約)することができず、買い替えが可能でもペナルティ(解約返戻金の少なさ)がありますから(駄目な理由②)。


低額な掛け捨てで必要な補償がカバーできるなら、その方がいろんな意味で、良いのかもしれませんね。



NISAで人気の高い投資信託は、ノーロードで信託報酬も少ないものばかりと聞いています。保険に関してもコストには敏感になるべきでしょう。

「予定事業比率」として間違いなく手数料を取られていますので、慎重に判断すべきだと思いますし、ライフステージに合わせた定期的な見直しは必要でしょう。



今日は、割高だと判断される「特約」部分の解約、家人に万が一の場合の収入補償保険契約の解約をします。いずれも貯蓄でカバーできるようになり、かつ、先がそれほど長くない年代に到達したためです。


あとは、外貨建保険の解約返戻金額の確認と解約時期の相談。返戻金に円安の恩恵はある一方で、保険料が高騰中なので、こちらも見直す予定です。