恐ろしい疫病、新型コロナウイルスはワクチンも見つからず、
いまだに猛威を振るっています。悲しいことです。
江戸時代、天然痘という病気に「牛痘法」という予防が功を奏し
死亡する子どもが減ったそうです。
天然痘予防の画期的な予防として、
牛痘苗が嘉永二年(1849)6月にオランダから長崎にもたらされて日本各地に普及していったそうです。
ところが、牛由来の種痘苗と聞いて恐れる人が多く、なかなか広まらなかったため
桑田立斎という蘭方医が大衆に訴えるために「牛痘児」の絵を嘉永三年の正月に数千枚頒布したとのことです。
※日本医史学雑誌30-1 昭和59「牛痘種痘法奨励の版画について」添川正夫氏による
[種痘之図](パブリックドメイン)佐賀県立図書館蔵
疱瘡「神」だけど、実は「悪魔」!!
牛痘児はオランダ出身。
※牛痘法はイギリスでジェンナーが発見したのですが、
種を日本に持ち込んだのがオランダの船だったからでしょうか。
桑田立斎さんは、新発田藩出身です。誇らしいですね!!
さて、アマビコやアマビエが告げた「疫病」とは何だったのでしょうか。
新潟福島潟の予言獣が現れたのが嘉永2年4月ころ、この頃の出来事といえば…
実は嘉永2年3月に蘭方禁止令が発布されています。
「牛痘種痘法奨励の版画について」によると、蘭方医学が盛んになることを恐れた
漢方医が、蘭方医に圧力をかけるように幕府に工作をしたのだそうです。
人を救うべき医術者同士が争うことは人を不安にさせます。
そのような恐れから、福島潟に現れた予言獣に人々が興味を寄せたのかもしれませんね。