みなとぴあ「伝える」 新潟市歴史博物館企画展示室 活動展示2011
金塚友之亟関係資料をじっくり見る
-『蒲原の民俗』の著者が遺した資料と地域研究の現在-
に参加して、学芸員の岩野さんのお話を聞いてまいりました。
金塚先生といえば、新潟県民俗学会の方で、
「蒲原の民俗」は私も参考書として読ませていただいていますが、
淡々と原稿を残してくださった方で、会員の方でしたらなじみの方です。
今日、始めて先生の遺された資料や原稿を見せていただきましたが、
ポスターやカレンダーの裏を利用した切り張りや、丹念に複写された絵地図の数々に、
何か、胸が締め付けられるような思いがしました。
岩野さんはPCができたので、メモ書きや切り抜きは今はあまりしないこと、
とおっしゃっておられましたが、実は私はPCを使いながらも、実は
メモ帳や切り張り、それも気がついたこと、目にとまったことを並べているので
人さまから見たら一貫性がないものを書き連ね、貼り連ねています。
以前私は、仕事先で同じ新潟県民俗学会の大先輩である
小林存さんの文庫、渡辺赳夫さんの文庫を整理させていただいたことがあります。
古書や文庫本、メモ、スクラップ、原稿の類を目録にまとめたのですが、
全くお会いしたことのない方々でありながら、何か知っている方の遺品を整理しているようで、
何か懐かしい思いがしたのを覚えています。
今日目にした金塚さんの資料群からも同じ気配を感じました。
たんたんと調べ、心に決めたことを原稿としてまとめて行く。
遺された資料はどの文庫にも似たような資料があるけれど
それぞれが遺した作品や原稿は全く違う。
資料は残り、人は死ぬ。
その事実は明らかで、ちょっと切ない。
かつて存さんや赳夫さんの資料を整理していた時は、大先輩に対して懐かしい思いでいっぱいだったけれど
金塚さんの資料を見て、胸が苦しく涙が出そうになる思いでした。
金塚さんの資料、素晴らしいものなので、ぜひみなとぴあで整理していただき、
みなとぴあ利用者の方々に提供していただきたいと願っております。
これからもきっと役立つ資料だと思います。
私自身もかなりたくさんの資料や原稿をためてしまいました。
でも、これは自分自身で処分してしまわないといけないな、と思いました。
帰り道。コッチコチに凍っていました。