◾️ラルクの「bravery」という曲
めっちゃ好きで最近改めてヘビロテしてます。
作詞作曲共にtetsuyaさん。
tetsu曲って明るくてポップなものが多い印象なんですが、歌詞は棘と毒と皮肉に満ちたものが多くて、そのへんのコントラストって超影響受けたなと思います。
後年、ぼくがMISFITSやBALZACにどハマりしたのは、超ホラーなイメージや詩やルックスと、めっちゃポップな楽曲とのコントラストの良さってとこの比重が大きいと思っていて、それはTHE NOSTRADAMNZの構成要素としてもめちゃくちゃ大きいと思うのだけど、それは原体験となったラルクから見えたコントラストがあってこそなんだなーと改めて思いました。
「ark」に収録されている「perfect blue」という曲もそうですね。
カリプソ調の南国って感じの楽曲に「ぼくにできることといえば 中指を立てるだけ」とか、ドスが効いた皮肉がバシバシ乗っかってるという。
「bravery」はそのあとの「REAL」に収録されているのだけど、要はおそらく、「昔は良かった」とか言って現行作品を批判してくるファンへの苛立ちをものっそいストレートに出したものなんだと思います。
これって、ラルククラスのプロップスがないと成立しないと思うんです。
言ってることって、頑固なラーメン屋の親父が「うるせえ!文句言うなら喰うな!」とブチ切れてお客さんを追い出すのとそんな変わらない感じがします。
だいたい潰れますよねそんなラーメン屋。
でも、潰れないラーメン屋ってすごない?!て話です。
歌詞の中には「ぼくらが選んだ道が過ちなら もういない」というくだりがあります。
あの時点で彼らは誰がどう見ても日本のロック界のトップランナーだったし、20年くらい経った今もまだそのポジションから消えてないんです。
他方で、当時のラルクってあんまり自分たちの過去に肯定的じゃないスタンスだったように感じていたのですが、最近はそこも俯瞰しているように見えるというか、DUNEやTierraの頃の曲もポジティブにやってるなと思います。
ファン目線だとそれってめっちゃ嬉しいですよね。
昔は昔で良いし、それを経ての今も良い。
ちなみにぼくは、過去の自分の作品は拙くても最高だと断言できるし、最新作も拙いけど最高だと言い切れる。
そう、天才なのである。
◾️「錆び付いたマシンガンで今を撃ち抜こう」て何
こちらはWANDSの名曲ですね。
ドラゴンボールGTの後期エンディングテーマでした。
ぼくが子供の頃はゴールデンタイムアニメ×ビーイング系のタイアップが最THE高にパターン化していて、スラムダンクや遊戯王やぬ〜べ〜なんかも含めてWANDS、ZARD、DEEN、FIELD OF VIEWなどのビーイング関連アーティストで固められていたように思います。
その中で、ドラゴンボールGTてのは、バトル路線まっしぐらになったドラゴンボールZから、原点回帰を目指して冒険活劇になったアニメオリジナルなんだけど、もう皆みるみる興味なくしてったんですよ。
原作の連載が終わった寂しさもあったりして、最初の頃はぼくもGTを真面目に観てた記憶があるのですが、途中から全く記憶になくて。
後年観て号泣したりするのですが、かくして後期エンディングテーマは長いこと知らなかったんですよ。
WANDSといえば、同年代とカラオケ行くとスタムダンクのエンディングだった「世界が終わるまでは」はよく歌われるのに、「錆び付いたマシンガンで〜」は歌われない。
でもね、めっっちゃいい曲です。
あまり知られていないのが、作詞作曲がコナンとかのテーマ曲を歌ってた小松未歩さんだという。
サウンドは紛れもなくビーイングなんだけれど、「世界が終わる〜」を含めたビーイング名曲を多々生み出した織田哲郎さんの曲とは、少し違う雰囲気。
ただ、歌詞がよくわからないというか「錆び付いたマシンガンで今を撃ち抜く」がどういうことなのかわからなくて。なんだそれと。
「世界が終わるまでは」とかはわかりやすいじゃないですが。
歌詞読んでほしいんだけど、タイトルになってる部分は比喩ですらないし、すごくストレート。
過ぎてしまった、愛しあった過去に呻きながら、夜の街に呆然と、もしくは慟哭する状況が目に浮かぶ内容です。
他方、マシンガンの件はわからない。
ここに、ぼくは男性と女性の感覚の違いみたいなものを微かに感じとっていたりします。
「世界が〜」のほうは、要は「おでは頑張っでいるのにどおじでフラれたんだおおおおおいおいおい(号泣)」みたいなダメな男の心情吐露なんだと思うんです。
他方で、「錆び付いた〜」は、「ああたね、生きてりゃあそんなことなんてたっっくさんあるんだからね、いつまでもいつまでも気にしてクヨクヨウジウジビクビクしてないで汗してしっかり働きなさい!(テーブルばんっ!」とか言いそうな、オカン的目線で語られてるんだと思います。
だからわかるまで時間がかかったのかなと。
その前提でいくと、「錆び付いたマシンガン」というのは、「停滞した時間によって機能しなくなっている(ように見える)エネルギー」の比喩であり、それで「今を撃ち抜こう」というのは「この状況を打破しよう」という意味なのではないかと思います。
まあ、「働きなさい」ではなくてもっと90年代当時によく言われていたような「ステレオタイプな人生を安易に選ばず、自分らしく常識を打ち破れ」みたいなことなんだろうけど。
ただ、小松未歩さんの声の印象からもあんまそういうイメージなかったなあと思って。
でもあれだ、氷の上に立つように危なげなこともしたかったり、目の前に宇宙船が降りたら友達置いて地球を去るだろうと宣言したり、願いごとひとつかなえてくれるなら〜ていうからウンウンて聴いてたら地球と一緒に回りたいとか言い出したり、謎が多いというか、冷静に考えると結構パンク&デストロイって感じの方なのかもしれないですね。
ただ、例えばこれをYUKIさんや椎名林檎さんが歌ってたら実はもっとわかりやすいのだと思うので、そのへんが自分の中で割とスッキリした話でした。
◾️パペラキュウおわてもた
いつからだか忘れたけど、おそらく数年単位で毎月楽しみにしてたWEB漫画が終わってしまいました。
なんと2011年からやってたんですね。お疲れ様でございました。
無料で全部読めるので是非!!
終わってからまた最初から最後まで一気読みしたのだけど、やっぱり超面白いです。
何が描かれたか以前に、漫画として本当に超面白い。
何気に特筆すべきはアクションシーンというか、漫画でこんなにもハラハラドキドキなアクションが表現できるんだなあという。
しかも、映画でも小説でもできないような、漫画という表現手法だからできるアクション描写がほんと凄いと思います。
それ以前にぼくはノリがすごく好きというか、下手にシリアスとコミカルが切り替わるのって好きじゃないのだけど、パペラキュウはそこが嫌味がなくて自然だなと思いました。
わざとらしくなく、脱力したノリで超壮大でシリアスな物語が展開していくという。
小ネタもすごくいいですよね。
いぬのおまわりさん=国家の犬だったり、実在の有名人をうまいこと使ってたり、元ネタが明白かつ使いどころが秀逸なパロディーが散りばめられていますね。
新鮮なのが、擬態語として描かれる説明語句とか。
あれがあるからさらにわかりやすい。
近いノリで「くそぶんにゅう」とか「きゃあバック」とかが熟語化するのとかも面白いです。
で、どんな話かというのは、ぼくはまんま「罪と罰」というテーマのある話しだったように思います。
誰かが誰かの為に罪を犯し、その累積が世界を回して、やがて因果になり、ある者は贖罪を求め、またある者は復讐に燃えてまた罪を犯し、それぞれの人生なり生き様死に様なりになるみたいな。
前半のとりとめのない思い付きで描いたかのようなことが、ちゃんと最後にまで結実していく構成は本当に見事だと思います。
超眠いのでまたにしますが、読んで損はないと思います。
とりあえず好きなシーンを貼っておきますね。
おやすみなさい。

