青い空と白い暴動、甘い愛の罠、大激突。 | 君を殺しても

君を殺しても

THE NOSTRADAMNZ Lucifer K nemoto

オス!オラるっし!

ひえー!おめぇ強えなぁ!!
よーしオラだって!
MOTHER EPの三曲目を紹介すっぞ!!

◼️無線衝突

この曲は作ったのすーんごい昔です。
六百とハタチくらいの頃、cupsuleにどハマりしていて、テクノポップ的なアプローチの曲がつくりたくなり、安物のサンプラーやシーケンサーを買って楽曲制作をしておりました。

アルバムでいうとシュガーレスガールの頃。

これまた厚木のヴィレバンで、同アルバムの「Starry sky」がかかってて、ものすごい衝撃でした。
EDMって言葉は当時は無かったけど、ダフトパンクからの流れを汲みつつ、フロア向けのドシンドシン来るキックとベース、そしてポップスとしてきゅんきゅん来る感じのサビの歌メロにもうやられました。

あと、曲が降ってきた場所を明確に覚えています。

渋谷のこのへんでした。

なぜかストリートビューで入れなかったんだけど、この背後にうちの大学に向かう細めの道があり、そこを確か下校しようと歩いてるときに降って湧いた曲です。

あの日、なんかすごく暑くて、友達もあまりいなかったので寂しくて、小学校2年の頃、転校してすぐ、周囲にまだ馴染めない状態で開催された運動会のことを思い出していました。
そのとき、青いポンポンを持って「ビーチサイドロックンロール」という曲で踊ったことを思い出していて。


そしてまさかの写真まで発掘

なんか、ビーチサイドロックンロールがやたら好きだったんだよね。
普通にいい曲だなーて思ってたのを憶えています。

無気力大学生だったぼくは、チンタラ歩きながら、グラウンドに設置された校内放送用のスピーカーから、やたら中域が強調された、割れたような音質で、爆音で鳴り響くビーチサイドロックンロールを頭の中でなんとなくイメージしていました。

そしたら、頭の中のスピーカーから、ビーチサイドロックンロールを歌ってる女性の声で、無線衝突のサビのメロディーが流れ始めたのです。
ほんとに、偶然周波数が合って受信しちゃったみたいに、突然。

それが頭から離れなくて、どうせならcapsuleみたいな曲にしたいなーと思って、できました。

出来た曲を、着ぐるみを着て歌いました。



これはキテますね。
何を目指してたんだろか。

この頃はキーがもっと低かったですね。
で、後にアレンジそんなに変えずに作り直したものがこちらです。

冒頭で流れているのは、THE CLASHのこれです。

ぼくはこの、クラッシュのTシャツを10代の頃によく着ていました。


そうした諸々のイメージを含め、無線衝突 というキーワードありきで歌詞を書いていきました。

元ネタであるTHE CLASHの歌詞は、「THE CLASHのラジオ放送だよ!」的な設定を読み取れるのですが、ぼくのイメージは、単純に無線が衝突するような、ひょんな出会いをしたけど相容れない結末を迎えた人同士についての話です。

なんだろう、表層の表現というか、表情や発言と内心が一致してないのが透けて見える人っているじゃないですか。
思ってもないこと言ってるなあ、ていう。
で、本人がポーズだと自覚してそうしている人はまだいいのだけれど、面倒だなと思うのは、自分の内面と外面の不一致に無自覚な人。
接していると、すごく痛々しい。
たぶん、その人が感じている痛みが伝わってくるのだと思います。

このひとかわいそうだな、とか、なんとかしてあげないと、という気持ちと、好き、という気持ちを混同してしまうことってよくあると思うんです。
自分がその人と一緒にいたい、ではなく、一緒にいてあげたい、と思ってしまう現象。

結果、必要とされていると思い込んでしまうことで、時間を浪費してしまうみたいなことってありませんか。
ぼくはあります。

もちろんそんなのはうまくいくはずがなくて、ゆくゆくは憎しみ合いしか残らないことに気がついてしまったような、そんな瞬間の歌だと思います。

あれ?最近ときめかない?と思った途端に、記憶の点がピャーッの直線で結ばれてしまって、そっか、最初から愛してなんかいなかったんだ、と。

相手のために、なんておこがましい独り善がりでしかなくて。
ぼくは何かを選択するとに、いかに自分のためになるかしか考えなくなりました。
自分のためにすることが、相手のためになる、というのが理想的だなあと思います。

音楽をやりたい我々と、音楽を聴きたい皆様の関係ってすごくいいな!と思います。
ありがとうございます。

そんな無線衝突を、今回はかみむらくんのリクエストにお応えしてテン年代っぽいゴリッゴリのEDMにしたくて制作に臨みました。
ほぼこれのためにCUBASEを最新版にアップグレードしてみたり。

で、えんどうさんとお互いのEDM観をぶつけ合って、音源のキャッチボールを繰り返し、今回のバージョンになりゃんした。

サウンドの肝は、ゴリッゴリのシンセベースとゴリッゴリのサイドチェインコンプですね。
要はブワワワって感じのベースと、四つ打ちのキックに対してゥワゥワゥワゥワっていう音量の上下が発生してぴょんぴょん跳ねたくなるアレです。

で、ぼくらはいうてもロック畑のひとたちなので、なかなかロック的な価値観が捨てられないのが苦労しました。
クラブミュージックをそこそこ聴くのだけれど、ロックは心身に染み付いてしまっていて、良くも悪くもロックっぽさが出てしまうんですな。

それでも、今出しうることは全力でやりきったし、なんかTHE NOSTRADAMNZをきっかけに、初期パンクでも、エピタフ系でも、オルタナやシューゲイザーでも、ヒップホップでもEDMでも、何かしら皆様が、我々というフィルターがなければ触れなかったはずの新しい音楽体験に向かうキッカケになれたら幸せだなぁと思います。

なぜなら、ぼくが誰かの音楽から他の音楽をどんどん好きになっていったからです。

眠い!おやすみ!!