「結婚についてどう思いますか?」という、我々世代の独身貴族にはクリティカルなブログリクエストを頂きましたので、思うことを書きます。
リクエストを下さった方は、同性愛者の方々が同性婚が認められた世の中になるように動いてるのを見て、異性愛者ができることを同性愛者ができないことに一抹の理不尽さを感じてらして、他方で法律上の手続きでしかないので、結婚しなくても一緒に居られるならそれでいいのでは?という見解をお持ちなんだな、とぼくは解釈しました。
概ね同意というか、確かにそうだな。。と気付かされた感じです。
ぼくは結婚歴はないのですが、2度ほど本気で考えたことはあります。
なんで結婚したかったんだろう、を紐解いてみようと思います。
元々じつは、結婚願望なんてなかったんです。
子供の頃なんかは、女の子が「およめさんになるの👰」とか言ってるのが意味わかんなかった。
え?!ヒトのなりたいものってウルトラマン以外にもあるの?!!
くらいに思ってました。
でも、ウルトラマンや仮面ライダーやガンダムではなく、ロックスターになりたいなと思い始めていくらか経った頃というか、高校生か大学生くらいの頃だったと思うけど、何かのときにねもと家の家系図を見たんですよね。
辿れた範囲で最も古い祖先は、ねもと政右衛門さんでした。
そこから、何代かあって、ひいおじいちゃんくらいから知ってる名前になり、おじいちゃん、おとうさん、そしてぼく、という血脈の繋がりを、図で見たんです。
なんかそれを見たときに、ぼくの生命はぼく一人のものではなくて、彼らから受けたバトンなんだなあ、と思いました。
これはほとんど直感ですが、確かにそうだと思います。
ねもと家の本家の墓石の側面には、ひいおじいちゃんにあたる眞平さんの名前から刻まれてるんだけど、他にもたくさん名前があって、中にはすごく若くして亡くなった方もいて。
8才とかで亡くなってる方もいて、そういうのが珍しくない時代だったんだなあと。
で、同じお寺に、ぼくのおじいちゃんのお墓があります。
ぼくの父親が建てたものです。
父は長男で、ぼくも長男なので、ぼくは叔父さんからよく「よっ!三代目!がんばれよっ!」なんてからかわれたものです。
そう、ぼくは三代目ネモソウルブラザーズなのです。
地域にもよるらしいけど、日本は男系の家系が多いので、ぼくんちもその例にもれず、長男であるぼくはそれを意識しがちなのだけど、母方の方を見ても、少なくとも同じくらいのご先祖様がぼくより前に生きて死んでいってるわけで。
しかも母方のほうの本家の仏間に、マジでうちのおかんそっくりの人の遺影とかあって、ほんとに遺伝子って受け継がれてるんだな、と、ハッキリと思いました。
そしてぼくの、こうへいの平の字は、父方のひいじいさんの眞平さんと、母方のひいじいさんの太平さんからもらったのだとか。
もらったってのもまあ後付けっぽいんだけど、確かにライミングされてはいるよね。
そんなこんなで、自分という人間が存在するために欠けてはいけなかった人たちの多さがなかなかハンパないことを、目で見える形で見て実感してから、いつか自分も家庭を持ちたいなと思うようになりました。
生まれてきて良かったと思っている派なので、ご先祖様方から受け取ったバトンを次に渡したいと思うようになりました。
逆に、先人たちの生きた時間をちゃんと認識していたいというか、お墓まいりとかってちゃんとやらんといかんな、と思いました。
自分の遺伝子を残したいと思うのは、生き物としては自然なことだと思います。
面倒なことに、遺伝子を残すにあたって、ぼくはヒトなので無性生殖で分裂するわけにはいかず、つがいになってくれる女性が必要なんです。
ヒトが有性生殖を選択した種である限りにおいて、種を存続させるには、男女が少なくとも一対のつがいになる必要があって、古い伝説によればアダムとイヴからぼくやあなたの父と母に至るまで、今のところ例外はないはずです。
そういった生き物としての事情を繰り返す中で、きっと男と女の間を取り巻く諸々色々に少なからずのトラブルがあったはずで、それに対してより効率的に社会の中で男女がつがいとして暮らしていけるように夫婦という概念が生まれていって、やがて共通ルールができて、システム化され、制度化されていって、いつしか法的に定めされたのが、現状の婚姻関係なのだと思います。
だから、本当は色々と逆のハズなんです。
種の存続の為に男女の愛があり、それを効率化するために結果として結婚があるだけで、結婚は目的ではなく、種の存続をスムーズに行うための手段のハズなのではないでしょうか。
つまり、個々が幸せになる手段として結婚が該当しないのであれば、結婚しないほうが幸せだと思うならば、しなくても全然いいのです。
はたまた、誰かと愛しあっていて、これからつがいになって生きていくから応援よろしくね!というのを社会的に、公に認知してもらえる手続きとして、婚姻関係という社会制度が整備されていることも、それを一旦の区切りとすることも、等しく全然いいのです。
で、同性結婚のニーズは、同性であっても確かに愛しあっていて、つがいとして生きていくからよろしくね!ということを公に認知されたいじゃないか、というところにあると思います。
それもまた自然な心のはたらきだと思います。
但し、元々は種の存続を目的として男女がつがいになることを前提として婚姻のルールが整備されていったがために、同性同士の場合に起こりうる諸々に対してルール整備が追いついてないから、制度としての同性婚は現時点では実現してない、という状況なのではないでしょうか。
一度定まって長らく運用されてきた制度を時代に迎合させるには、結構なカロリーが必要だと思います。
たぶん相続の問題とか、補助制度の問題とか、戸籍の問題とか諸々について、同性同士のケースに当てはめようとすると、周辺の法律も含めて、見えづらい不整合が起きるんじゃないかなーと想像します。
だから同性愛者の方々も、カロリーをかけて動かそうとしているのだと思います。
会社とかの、部署単位のローカルルールですら変更するのにかなりの手間がかかるので、婚姻のルールを変更するのには気の遠くなるような考察と手間がかかるのだろうなーと。
同性愛とか、あとは女性が外に出て働き続けるとか、男性が主夫として家事のみをやるとかは、現状ではマイノリティーなので、社会のルールとそれに付随する認識とのズレに苦しむことが多いと思います。
現世人類の数万年に渡るバトンの受け渡しの中では、男女がつがいになり、男性がそとに出て糧を確保し、女性が家と子供と共同体を守る、というスタイルでの生きかたが圧倒的多数で、それと違うスタイルでもなんとか生きられるようになったのは多分ごくごく最近のことなので、そうしたジェンダー上新しいスタイルに該当する生き方を選択するのは、まだまだマジョリティー側の認識も追いついていないし、ルールも追いついていないのは、当然といえば当然だとも思います。
生物としてもヒトらそこまで進化してないので、社会はまだまだ男性性向けの仕組みになっているし、女性も生来ビジネス向きなタイプの方はまだまだ少ないな、とも思います。
良い悪いではなくね。
ちなみにぼくは、音楽で生きていきたいんだ、と親に話しをしたときに、超反対されました。
ジェンダー上の云々とはちがうけれど、新卒で就職をして終身雇用で定年まで、という、よく知られたスタイルよりは、音楽家のほうがマイノリティー的でアウトロー的な生き方ではありますよね。
ぼくの親は、マイノリティーとして生きることのカロリーがまだまだ高い世の中であることを経験として知っていて、親として子供につらい目にあってほしくないから反対したのだと思います。
親として普通に真っ当だと思います。
更に父親は、自分が自分の父から受けて、ぼくに渡したバトンが、次にどんな孫の手に渡るのかを楽しみにしていた人なので、まあぼくはつらかった。
だってその気持ちがわかるもの。
でも音楽をつくれることと、それを聴いてイイ!と言ってくれる人がいることの喜びは、彼らにはわからない。
わからないのも当然。
わかる方がマイノリティーなんだもの。
長らくそれで悩んだし、今も全く悩んでないわけではないけれど、自分のキャパシティの中で、今はその両方をできるだけ両立できるバランスに奇跡的に置かれているので、冷静に考えるとなかなかぼくは幸福度が高い人生を送れている気がします。
もちろん、すべて捨ててロックンロール!というほうがかっこいいかもしれないけど、ぼくには家族と彼らから貰い受けたバトンを棄てる選択肢は無いし、音楽をやらない選択肢も無いです。
とはいえロックンロール!だけでバランスがとれるのが1番幸せだと思うので、THE NOSTRADAMNZへの課金と布教をよろしくお願いします。
そのぶん良いモノは提供します!
ここまでヌルヌル書いてきてしまったけど、あくまでぼくが思う自分の幸福について考えただけであって、同性愛も自然界に昔からある自然なことだし、子供を持たないという選択肢だって全然アリだと思うし、女性だってつらくてもゴリゴリ仕事したきゃすりゃあいいと思うし、男性だってバリバリおしめ替えりゃあいいと思うし、全て捨てて生きる方がいてもいいと思います。
ぼく以外がどういう幸せを希求して、どういう生き方を選択しようが関係ねえぜメーンって話。
そのかわり、ぼくがどう生きようと、大半の人には関係ねえ。
誰かに迫害されたり強要されるいわれはないと思うので、それにあーだのこーだの言ってくる方とは、そっと深く関わらないようにしたいですね。
早い話が、そういうのまるっと許容して共感してくれるお嫁さんが降って湧いてこねえかなって空を見上げては思うわけです。
オヤカター!空からピエロとロン毛がー!うわあああああああ
もう朝だけどおやすみなさい。