夏の思い出
こちとら、ランチパックの右上でイチャついてる奴らにも、食べるたびに苦々しい気持ちを感じてるのに…
はやく『高校生クイズ』を…
三人一組に戻してくれーー!!
文化祭当日だけ、すげぇ働きやがって…
準備期間中の放課後残ったりとかは、絶対しないのにー!
夏が終わる
今年も何もなかった
スタンプラリーの為に行った荻窪が一番遠い旅だったろうか
それすらもう、いつなのかわからない
ランチパックに憤ってしまうくらい、何もなく過ぎた暑いだけの季節
先日出演したイベントの写真が送られてきた
自分のネタの中の一場面なのに
いつなのかわからない
何だろうこの嫌悪感
自分の写真を、後になって見たときの
録音した自分の声を初めて聞いたときと同じ
何これ?誰?感
せめて、この顔と同じくらいの驚き、新鮮な気持ちを味わえる夏だったなら
そんなの、もう、高校生のとき以来、無いか…
ネタの中、以外でこんな顔、してないんだろうな…俺
あーあ
今年の夏は、これだけか…
「イヤだー!
こんなので夏が終わるなんて〜いややぁ〜!」
『あら?かわいそうな中年男性が、森に迷い込んできたみたい』
『アタシはうさぎの女の子、ここはシルバニア村のはずれの迷い森
ごく稀に、思い出に迷った人間が迷い込んでくることがあるんだけど…
夏の思い出が無いの?
症状としては軽め、ね
じゃあ、シルバニア村で1日、遊んで行ったら?
この森だけじゃなくて、船とか、音楽ホールとか、空飛ぶ自転車にハンググライダーがついたようなものまであるから
詳しくはシルバニアファミリーの2017年度版のパンフレットを見てね』
「え?」
『それじゃあ出発!まずは、お菓子のくに』
「あ、写真撮っても…」
『なら、こっちよー
観光地と言えば、コレよね』
「シルバニア村にもあるんだ」
『さあ、どんどん、撮りましょうー!』
『ずいぶんと、元気を取り戻してきたみたいね』