資料の整理と来るべき新しい仕事の形に向けた準備で日々を過ごしています。
そんな中で昔 撮っていた写真が出てきました。 この時期あるあるですが、訃報に接する数日前に出てきていたのがこの写真でした。
1990年頃と思います。「はるか、ノスタルジィ」の小樽ロケ。
監督はもちろん、美術の薩谷さんもご健在でした。

「はるか、ノスタルジィ」では勝野洋さんの演じる綾瀬慎介という作家の若き日を演じていたのですが、東京に戻ってセットでの撮影が始まると薩谷さんから私が小樽ロケの空き時間に撮った小樽の風景の写真を貸してほしいと頼まれました。「綾瀬慎介が撮った小樽の風景という設定なので若き日を演じる松田君が撮った写真が相応しいと思うんだ」そんな方でした。

また ある日オープンセットで撮影していた時、ある部分に素敵な 小さな こだわり というか、遊び というものを見つけました。
ほっこりした気分になりつつ せっかくなのに「でもこれは映らないですよね、、」というと監督が「今 それを見つけて感じたことで洋治の芝居は確実に変わるんだよ。つまりこの小さな遊びにも大きな意味があるんだ。現場はそうやってみんなが支えあっていく場所なんだね。」 と あの笑顔で。 忘れられない思い出です。

お二人が 再び 映画創りに取り組んでいることを願います。

 

中央が美術の薩谷さん

これは監督の撮影の坂本さん