まず、この絵を見てください。

 
  
30歳前後の女性に見える?
それとも80歳くらいの老婆でしょうか?

後ろをふりかえっている
若い貴婦人の姿。
鼻の大きい老婆の横顔のクローズアップ。


実は、どちらも描かれています。
これを心理学ではゲシュタルトと言います。

 
そして、面白いことに
両方を認識するには、多少時間がかかったとしても
一度見えてしまうと、次も見える。

 
そして、同時に両方を見ることはできないのです(>_<)



これを私たちの生活に置き換えると
事実は一つでも、人によって受け止め方が違ってくると言うことを意味しています。


コミュニケーションの相違はここの部分を理解しないと快方に進むことはないでしょう。


人は物事をあるがままに、客観的に見ていると思い込んでいます。
しかし私たちは、私たちのあるがままに世界を見ている。
物事を説明しようとすると、それは結果的に自分自身、自分の知覚、自分のパラダイムを説明しているのにすぎない。
心理学的にはそれを〈地図〉とか〈マップ〉とかの言い方をしますね。


そして、自分の意見に相手が賛同しないとなれば、すぐにその人が間違っていると思ってしまう。
しかし、この絵から学べるように、人はそれぞれの経験というパラダイムを通して同じ事実について異なる見方をするのですよね。


人と人とのイザコザも
夫婦の喧嘩も
上司と部下の関係も
同僚との関係


何らかのトラブルが起こったら
この「老婆と貴婦人」の絵を思い出してみてください。


スティーブン・コーヴィーの【7つの習慣】の著書の中に
とても好きな言葉があります。

『私には老婆しか見えないかもしれない。でも、あなたが違う何かを見ていると言うことを意識している。
だから、あなたの意見を尊ぶ。あなたのものの見方を大切に思う。私はあなたを理解したい。
だからあなたが違う意見を持っていれば、私は「良かった。あなたには違う見方がある。あなたの見えるものが私にも見えるように助けて欲しい」と言える』