当帰芍薬散と桂枝茯苓丸 | 漢方1日1歩のブログ

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1日生きるとは1歩進む人生でありたい(by湯川秀樹)の言葉のように、傷寒論や類聚方広義、勿誤薬室方函を参考に1日1歩づつ漢方医として成長していきたいと思っています。(実際に患者に処方するにあたっては添付文書を参照され、自らの診断と責任でご処方ください。)

 桂枝茯苓丸(桂枝 茯苓 芍薬 桃仁 牡丹皮)と当帰芍薬散(当帰 川芎 芍薬 白朮 茯苓 沢瀉)は教科書的には間違いようのない証である。しかし臨床ではどちらか迷う時が決して少なくない。この見極めは名医と言われる先人でもなかなか難しかったようである。



藤平健

桂枝茯苓丸と当帰芍薬散で迷ったらまず当帰芍薬散を投与して証の変化をみる



湯本求真

桂枝茯苓丸と当帰芍薬散で迷ったらまず桂枝茯苓丸を投与して証の変化をみる



奥田謙蔵

桂枝茯苓丸と当帰芍薬散で迷ったらという記載はないが桂枝茯苓丸合当帰芍薬散を頻用



中医学

薬味こそ違うが方意的には桂枝茯苓丸合当帰芍薬散に近い折衝飲を基本に方剤を組み立てていることを時に目にする

(桂枝茯苓丸と当帰芍薬散で迷ったらという事ではない。)



どの対応もきっと正しいと思う。初診で百発百中であれば素晴らしいが、絶対にそんなことはあり得ない。重要なことは経過をみて処方を変えていける能力である。教科書には典型例が書いてあるが、臨床はその複合証ばかりで教科書通りの症例などほとんどない。臨床経験が浅いと何故こんなにころころ処方を変えるのかと思う方がいるかも知れないが、理論は常に美しく、臨床は苦労した分他人にはあまり美しくなく映るものなのである。



参考文献 図説 漢方処方の構成と適用 森雄材 医歯薬出版株式会社

       漢方腹診講座 藤平健 緑書房



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