イワン・ブーニン 「最後の逢瀬」 | ロシア語通訳の日記

ロシア語通訳の日記

50歳からの育ち直し。「歳だから」に負けない日々是学習

 イワン・ブーニンはノーベル賞作家です。ロシア出身ではありますが、フランスに亡命し、その後もロシア語で作品を書き続けていました。没後70年を経過したので、著作権は侵害していないと思うので、訳文を掲載します。この作品は私が生徒さん達と読了講座をした際に訳したものなのですが、雰囲気がとても好きな短編です。若い日々に焦がれるほど愛した女性と結婚することもなくずっと恋人同士でいた男性が主人公です。年月が経ち、狂おしく愛した女性も自分も年をとり、お互いの役割は変わっていった。最後の逢瀬で思い出が次々と男の脳裏に浮かぶ。二人はもう会うこともないのでしょうが、新しい人生に男も女も踏み出していくというようなお話です。情景が思い浮かぶような描写が素晴らしいです。(私がそれを表現できているとも限りませんが)拙訳ですが、是非、ご一読ください。

 

”最後の逢瀬“  

 

I

月の輝く秋のその夜は、寒く湿った風が吹いていた。ストレーシュネフは馬に鞍をつけるように使用人に命じた。

月光が、青く煙る一本の線のように、細長い窓を通して暗い馬小屋の中に差し込んでいた。その光は、馬の目を宝石のように煌めかせている。使用人は、馬に鞍橋の高い重みのある鞍をかけると、手綱を引き馬小屋から馬を連れ出して、尾をねじって結んだ。馬はおとなしかった。ただ、腹帯がつけられたのを感じたのだろう、肋骨のあたりを膨らませ、深く息を吐いた。馬の腹帯はボロボロだった。使用人は、留め金に腹帯をかろうじて通すと、それを歯でようよう引っ張り出した。

 尾の短い虚勢馬は鞍をつけられ、前より少し粋になった。馬を家の昇降口まで連れて行き、使用人は手綱を朽ちた柱に巻き付けて去っていった。馬は、長いこと柱を黄色い歯で齧りちぎろうとしていた。時おり、不満げに、嘶き、うなり声をあげた。馬のそばの水たまりには、緑がかった色を映した欠けた月が浮かんでいて、木のまばらな庭には透きとおった霧が降りていた。

ストレーシュネフが、鞭を手にして、昇降口に出てきた。鉤鼻で、後ろにそらした頭は小さく、やせて肩幅が広く背の高いその男は、茶色の上着につつんだ身のこなしが機敏で、細いウエストを銀の飾りのついたベルトで締め付け、てっぺんが赤いコサック帽をかぶっている。だが、月明りで見えたのは、生気がなく、風雪にさらされた相貌だった。ごわつき縮れた白髪交じりの顎鬚を蓄えており、首は筋張っていた。また、長いブーツは古びており、上着の裾には、野うさぎの血が随分前に固まって、黒いシミになりこびりついたままだった。

昇降口の暗い窓の通風口が開いた。

「アンドリューシャ、どこに行くの?」

「俺は、もう子供じゃないんだよ、母さん」と、ストレーシュネフは、しかめ面で言うと、手綱をとった。

通気口が閉まった。だが、家のドアがバタンと音をたてた。革靴でとんとんと音をたて、敷居の外側に出てきたのは、パーベル・ストレーシュネフだ。目が腫れて、むくんだ顔の男で、白髪をオールバックになでつけている。下着の上に古ぼけた夏用外套を羽織り、ほろ酔い加減で、いつものように饒舌だ。

「どこに行く、アンドレイ?」 嗄れ声で尋ねた。「ベーラ・アレクセーヴナによろしく伝えてくれよ、いつも心から尊敬しているとな」

「父さんが、誰かに敬意を払うなんてできるのか?」ストレーシュネフは応え、続けた。「それに、なんでいつも他人のことに首を突っ込むんだよ?」

「すまん、すまん!」パーベルは言った、「約束の逢引きに駆けつける若者よ!」

ストレーシュネフは歯を食いしばって、馬にまたがろうとしたが、彼の足が鐙に触れたとたんに、馬は活気づき、重い足運びでその場で回りはじめた。タイミングを計り、ストレーシュネフはさっと馬の背中にのぼり、軋み始めた鞍骨に腰をおろした。馬は頭をもちあげ、蹄で水たまりの月を蹴散らして、元気な側対歩で発進した。

 

II

そぼ濡れた月夜の野原にはあぜ道でヨモギが白く浮き上がっていた。不意に、しかし、静かに、羽の大きなふくろうがあぜ道から飛びあがった。すると、馬は断続的ないななきをあげ、跳び退いた。道は小さな森の中へと続く。そこは死んだように、雫に濡れ、月に照らされ寒々としていた。月は濡れたように輝き、落葉した裸木の間に見えかくれした。裸の枝が月の濡れた輝きと融け合い、やがて光の中に吸い込まれていった。ハコヤナギの樹皮が苦い匂いを放ち、峡谷には朽ちた葉の匂いがしていた。低地への坂道は白い霧にけむり、底なし沼のようだった。馬は、白い息を吐きながら、霜が下りてガラス細工のように煌めく低木の間を、かろうじて、縫う様に通り抜けた。蹄が小枝をぱりぱりと踏み割り、その音は遠く、山の斜面に広がる高い林の上で響いていた。突然、馬が耳をそばだてた。低地に明るい煙が立ちのぼると、肩幅が広く喉太で、しかし、足の細長い2匹の狼が姿を現した。ストレーシュネフが近寄よるまで微動だにしなかったが、突然跳びあがり、不器用にギャロップをして、山へ帰っていった。狼が駆けて行った先には、靄が白く立ち込め、草原が虹色に輝いていた。

「もし、彼女がもう一日居てくれたら……」と、ストレーシュネフは口にし、頭をそらし、月を見上げた。

銀色に光る霧の荒野の上に月が輝いていた。もの悲しくも美しい秋!

馬は、鞍骨をきしませ、力み、腹からうなり声をあげながら、流れにえぐられた窪み沿いに、高木の生い茂る密林へ向かってのぼっていった。すると、突然、足を滑らせ、どさりと地べたに倒れそうになった。ストレーシュネフは怒りで顔を歪め、力いっぱい、馬の頭を鞭でたたいた。

「う~!この老いぼれ!」、恨みがましい叫びは森中に響いた。

森の向こうには野原が広がっていた。刈り取られた後のソバ畑を覆う暗がりの向こうの斜面には粗末な田舎屋敷が立っている。なにかの付属の建物や藁葺の家もあった。月夜に照らされたその建物群はなんとも悲しげだった!ストレーシュネフは立ち止まった。もう遅い、もう遅いと感じられた。周囲のすべてが静まり返っていた。中庭に入っていくと、その家は暗かった。手綱を放り出し、ストレーシュネフは鞍から飛び降りた。馬はおとなしく頭をさげてそこに停まった。玄関の昇降口には、年老いた狩猟犬が、前足に鼻づらをのせて身を丸くしていた。

犬は動きもせず、ただ、眉をあげて、一瞥しただけだった。それでも犬はあいさつ代わりに尻尾を一回地面にうちつけた。ストレーシュネフが木陰に入ると、農家の物置からくみ取り便所の臭いが漂ってきた。玄関には薄明かりが灯り、冷たい結露がガラスを金色に輝かせていた。暗い廊下から、明るい色の薄い上着をはおった小さな女が静かに走り出てきた。ストレーシュネフは身をかがめた。女は、男のやせた首を、むき出しの腕で素早く固く抱きしめた。嬉しそうに、小さな泣き声をたて、彼の上着のごわついたラシャに頭を押しつけると、彼女の、子供のように高鳴る胸の鼓動が聞こえた。胸の十字架が触れる。それは、黄金の十字架で、祖母の形見であり、女の最後の財産だった。

「明日までいられるの?」早口のささやき声で彼女は聞いた。「ねえ、信じられないくらい幸せよ!」

「ベーラ、馬をつないでくるよ。」とストレーシュネフは、彼女を腕から離して言った。

「ああ、明日まで、明日までいるよ」と言った。

『まったく、日毎に、激していくんだな!タバコばかり吸って!あの深情けはなんだろう!』と思った。

ベーラの顔は柔らかく、白粉でビロードのように滑らかだった。彼女は、そっと、自分の首筋に、彼の唇を這わせた。そして、柔らかい唇で、彼の唇に濃厚に口づけた。露わな胸元に十字架が輝いていた。彼女は薄い肌着を身に着けていた。それは、大事な時のためにとっておいたたった一枚の虎の子だった。

「わかっていたんだ」と、若かった頃の彼女を思い出そうとしながら、ストレーシュネフは思った。

「15年前にちゃんとわかっていたさ、少しも迷うことなく、彼女との逢瀬だけに人生の15年を捧げるってことをね」

III

夜明け前、寝台近くの床には蝋燭が灯っていた。ストレーシュネフは、ゆるいズボンをはいたまま脇あきシャツの前をはだけていた。小さなかぎ鼻顔を重々しく薄明かりに向けて、頭の後ろに手を組み、仰向けで長々と寝そべっていた。ベーラは、膝に肘をついて、彼のそばに座っている。彼女の目は濡れて、赤く泣き腫らしていた。彼女はタバコをくゆらせ、ぼんやりと床をみつめて、足を組んだ。小さな足は、軽くてヒールの高いパンプスに包まれていた。彼女自身がとてもお気に入りのものだった。だが、彼女の胸の痛みは、彼女を悩ませいるのだ。

「私、貴方にすべてを捧げたわ」静かに言う彼女の唇は震え始めた。

彼女の声には限りない優しさと、子供のような苦痛が満ちていた。しかし、ストレーシュネフは目を開けて、冷たく聞き返した。

「何を捧げたんだ?」

「すべて、すべてよ。何よりも、誠を、青春を……」

「俺たちは、たいして若くもないさ」

「貴方って、なんて粗野で、鈍感なの!」ベーラは優しく言った。

「世界中の女が同じことを言うんだな。お気に入りの言葉なのさ、異口同音に言われてきた言葉さ。最初は感極まって、恍惚として言うんだ。“貴方ってなんて利口で、鋭敏なの!ってね。後になると、“粗野で、鈍感ね!ってね」

彼女は、さめざめ泣きながら、彼の言葉を聞いてなかったかのように、静かに続けた。

「私の人生、何もなくてもかまわないわ、でも、音楽だけは、好きだった、とても好きなのよ、少しでもいいから、何か成し遂げられたら……」

「ああ、音楽じゃあないだろう。パダールスキーが来たとたん……」

「ひどいわ、アンドリューシャ……私は今や、哀れな大学の雇われピアニストなのよ、一体どこで! ずっと憎んできた、忌々しいこの街のどんなところにも、私に平穏と家庭とを与えてくれる人なんて見つからなかったろうし、これから見つけられるとでも言うの? 私を愛し、大事にしてくれる人を? でも、私たちの愛の思い出だけは……」

ストレーシュネフはタバコに火を点け、ゆっくりと、言葉を区切りながら、答え始めた。

「ベーラ、俺たちは、貴族の子孫だから、単純に愛するってことができないのさ。愛は俺達には毒なんだよ。君じゃなくて、俺が、自分で自分を破滅させたってことさ。15~6年前、俺はここに毎日やってきて、君の家の玄関前で夜明かしすることも辞さなかった。あの頃の俺はまだ子供で、夢中だったし、甘ったるいばか者だったのさ……」

巻きたばこが消えた。ストレーシュネフは遠くへそれを投げ捨てた。天井を見上げ、腕を脇にぶらりとおろした。

「先祖の愛、青の背景に金紙で縁どった楕円形の先祖の肖像画……古代の家庭の庇護者達グーリイ、シモン、アヴィヴの聖像……俺たちじゃないなら、運命を定められたのは誰なんだろう? 俺は詩を書いたんだよ

君を愛して、僕は夢想者に憧れた

百年前にここで愛に溺れ

夜ごと荒れ果てた庭を歩き、

星が光ろうと、それを見ることもない愛の夢想……

ストレーシュネフはベーラをみて激しい口調になった。

「どうして逃げた?誰の為だ!自分の生まれたところから、自分の種族からなぜ逃げた?」

「俺は、恍惚として、敬愛して君のことを、妻を思うように想ってきたよ。だが、そんな運命が訪れたか?君は俺にとっての何者になったんだ?妻だとでも言うのか?若さもあった、喜びも、純粋さも、頬の赤さも、バチストの脇開きシャツも…毎日君の家にきて、君のドレスや、バチストの薄い若々しいドレスを見ていた。君の太陽に焼けて黒いむき出しの腕、祖先の血をひく浅黒い腕を愛でたんだ。そしてタタールの輝く瞳、俺を見ようとしない瞳をね! 木炭の黒髪に、君のあの頃の愚かで、驚いたような、でもうっとりするようなあの微笑みに、黄色いバラを捧げた日々。君が、他の男のことを考えながら、庭の小道を通って、俺から離れていっても、遊んでいるふりをして、クロケットの球を追っていても、バルコニーから君のお母さんの侮辱的な言葉を聞いたりすることも、俺にとっては…

「母だから。私がなにかも悪いんじゃないわ」 やっとのことでベーラは口にした。

「違う!君が最初にモスクワに行った時のことを覚えているかい?支度をしていて、ぼんやり何か歌っていただろう、俺を見ようともしないで、夢見心地に。幸せを確信していたのか?俺は、君たちを馬で送っていったんだ、澄んだ寒い夜だったよ。冬麦の若い芽が輝いていた、切り株がばら色を帯びていた、車両の開いた窓にはカーテンが引かれていた、ああ!」     

ストレーシュネフは恨みがましく、涙をためながら言った。そして、再び枕につっぷした。

「君の手から俺の手に移り香が残った、クマツヅラの香りだったよ。その移り香が手綱や、鞍、馬の汗と混じりあったんだ。俺は、いまだにその匂いを感じるんだ。薄明かりの中を大きな道を通って帰り、そして、泣いたよ。もし、すべてを、自分の人生のすべてを捧げた人間がいたとしたら、それは、俺さ!この老いぼれの飲んだくれさ!」

そして、頬や、口髭を伝わる塩辛く温かい涙を唇に感じながら、ストレーシュネフは足を寝台から投げおろすと、部屋から出て行った。

月が沈んだ。もろく白い霧が、死んだように青ざめ、草原の斜面に降りていった。その向こうには、赤紫色の朝焼けが一面に広がっていた。冷たく黒い森の中、干し草小屋の雄鶏が鳴くのが遠くに聞こえた。

ストレーシュネフは、靴も履かずに、昇降口の階段に座った。薄いシャツの下で、湿った空気が体を突き抜けるのを感じていた。

「もちろん、あの時からお互いの役回りは変わったけどな」と、彼は静かに吐き捨てるように言った。

「今となっては、もう、どうでもいいさ、終わりだ……」

 

IV

朝、寒い玄関横の控えの間で、大きな長持ちをテーブル代わりに、二人はお茶を飲んだ。サモワールが長持ちの上に置いてあった。そのサモワールは薄汚れ、錆びて緑がかり、ずっと前からくすんでいた。窓にびっしり張りついていた冷たい結露が上のほうからぽたぽたと水滴になって落ちてきた。窓の外には、厳寒の朝が光り輝き、色あせてところどころ残る緑の間に曲がった木が見えた。起きたばかりでむくんだ顔をした赤毛の女が裸足で入ってきて、言った。

「ミートリーが来ました」

「待たせておけ」と、顔もあげずに、ストレーシュネフは言った。

ベーラも顔をあげなかった。彼女の頬は一晩でこけてしまった。目の下や瞼の周りが黒ずんでいた。でも黒いドレスは彼女を若く美しくみせていた。白粉が黒髪に映え、顔はばら色に見えた。痩せてごつごつしたストレーシュネフの顔は生気を失っており、彼は頭を後ろにそらしていた。ごわごわの縮れたグレーの顎鬚の間から太いのど仏が見えていた。

 

中庭から見える空低く太陽がぎらついていた。昇降口には雪が積もり白髪をまとったようだった。雪の結晶が草の上に散らばり、中庭で散乱しているキャベツの灰青色の葉の中にも白い雪が積もっていた。

どんよりした目の男が、霜で覆われた藁が積まれた4輪馬車で昇降口にやってきた。男は、パイプを歯でくわえ、4輪馬車の周りを歩きまわって、藁を押し固めていた。男の肩のまわりに紫色の煙が漂っていた。

ベーラは、高級そうで軽いが、使い古して、流行おくれの毛皮のコートを着て、錆色の硬い繻子の花飾りがついた黒い麦藁帽子をかぶり、昇降口に出てきた。

彼女を送るために、ストレーシュネフは霜のおりた村の道を通り、大きな道に出た。4輪馬車の後をついていくと、ストレーシュネフの馬が藁に身を乗り出した。鼻づらを鞭で打つと、馬は頭を持ち上げ、苦しげに唸った。馬もストレーシュネフもゆっくりと歩みを進め、黙していた。猟犬が、ストレーシュネフの後ろにつきまとうように、屋敷から走り出てきた。低い太陽が照りつけ、空は穏やかで晴れていた。

大きな道に出ると、百姓男が突然言った。

「お嬢さん、うちのせがれをまた夏に貴女のところに寄越しますよ、貴女のところで牧童をさせますから」

ベーラは、はにかんだ笑みを浮かべ振り返った。ストレーシュネフは帽子をとり、鞍から身を乗り出して、彼女の手をとると、長い口づけをした。彼女は彼の白髪交じりのこめかみにぴったりと唇をつけて言った。

「元気でね、愛しい人。悪く思わないで」

4輪馬車は大きな道を速歩で走った。大きな音があたりに響いた。

ストレーシュネフはUターンし、刈り取られた後の畑の中を引き返していった。金色の野原の中にはっきりと姿を浮かび上がらせ、犬が遠くから彼を追ってきた。ストレーシュネフは立ち止まり、鞭で犬に脅しをかけた。犬は立ち止まると、そこに座り込んだ。

「俺はどこに行くんだ?」あたかも犬が聞いているかのように独り言を言った。そして、ストレーシュネフが動き出したとたんに、犬は急がず、軽いだく足で、また走り出した。彼は遠い駅のことや、輝くレールのこと、煙や、南へ走り去る汽車のことを考えていた。

ストレーシュネフは、ところどころ石が散らばる草の枯れた原っぱに降りて行ったが、そこはかなり暑かった。秋の日が、青く澄んだ空を背に静かに輝いていた。草のない原っぱ、峡谷、ロシアの大草原は深い静寂に支配されている。あざみの綿毛がゆっくりと風に乗って飛んでいた。数羽のカワラヒワが綿毛の上に止まっていた。鳥たちは、時たま空を飛び、穏やかで美麗な幸福の人生を生き延びながら、日がな一日じっとしていることだろう。

1912年8月12日カプリにて