こんばんわ 



内の若い衆で せいじって男がいます



今日は 彼の話です。



彼は 三人兄弟の末っ子 両親との五人家族でした。



彼は 三重県で産まれ 中学一年のとき



ある日突然 両親がいなくなりました。



それからの数年間 兄貴と お姉さんが 一生懸命働いて



生活をしていました。 当然 10代の子供三人が力を合わせての



生活ですから とんでもなく 苦しい生活でした。



何年かが経ち ある日いきなり 両親が帰って来ました。



どうして 両親が家を出たのか? どうして戻ってきたのか?



そこは書きませんが そうするには そうするだけの理由があります。



その数年間の間 両親は 食うものも食えず



ホームレスをしていたことも あったそうです。



両親が戻り 家族全員での生活が戻っても



生活レベルは 変わらない 



へたすると 以前よりも 苦しくなっていたのかもしれません。



そんな中 ある日 お母さんが せいじを川に連れて行き



『 一緒に死のう 』 と言ったそうです。



せいじは その事を話すとき いつも 泣きながら話をします。



せいじは ただ 『 うん いいよ 』 とだけ返事をしたそうです。



通りがかりのタクシーの運転手に止めて説得され



大事には至らなかったんですが せいじに どうしてそう返事をしたのかを聞くと



『 おかん一人では かわいそうと思ったから 』 と言います。



そんなせいじの生活を知ってから知らぬかはわかりませんが



せいじの 遠い知り合いから ある日声がかかります。



『 金になる話 あるよ 』 と...。



何とか 今の生活を 今の環境を 何とかしたいと思っていたせいじは



何も考えず 返事をします。



それが 彼の前科である パチンコ強盗です。



彼は 罪を犯し 刑務所に行きました。



しかも 人が良いのか 馬鹿なのか 一銭ももらうことなく



刑務所に行きました。



刑期が終わり 娑婆に出て 彼はある工場で働きます。



その工場で せいじの事を良く面倒見てくれる先輩と出会いました。



せいじは 彼の事を信用しました。



結果 せいじは 借金まみれになりました。



なんともならなくなったせいじは 自分の従兄弟を頼りました。



その結果 僕と出会いました。



せいじは 入社して 半年間位 前借がひどく



どう考えても なにかある と おもわされる状況でした。



おかしいと思った僕は せいじを問い詰めました。



せいじは その先輩からの事 頼った従兄弟からも 騙されたこと



しかも その環境の中で 親を助けようとしていたことを



すべて 僕に話しました。



僕は すぐに その先輩を従兄弟と 話をつけました。



それからのせいじは 別人のように まじめになりました。



僕がハラから信用できる 人間になりました。



彼は今 氷室建設の新規事業を任され 九州に出張に行ってます。



その出張初日 初めてせいじと二人で 飯を食いました。



色んな話をしながら お酒を飲み 楽しい時間でした。



そんな中 せいじが こんな事を言っていました。



『 僕 こないだの 懇親会でウォーリーさんとか 他の知らない人と



話が出来て すごく楽しかったです。 』



( ウォーリーは 師匠の現マネージャーを勤める 粋な男です )



” そっか 良かったな ”



『 はい、 でも 僕 ああいう 知らない人が居る場に行けなかった



んですよ 』



” なんで? ”



『 社長が 人の事は気にするな これから頑張ればいいがやって



いつも言ってくれるじゃないですか? でも やっぱり 心のどっかで



人の目を気にしちゃうんですよ 』 



僕は せいじに こう言いました。



” だったら 気にしまくったればいいがや 人の事を見まくって



その人を観察して 勉強にもなるし その人がして欲しいことにも



気付けるし どうせなら 活かせばいいが ”



せいじは 素直に 受け入れてくれました。



先日 氷室建設の内勤のラインのやりとりで こんなメールをいれました




ひむろぐ 日記



せいじにとっての点という出来事



遠い過去の出来事で得た 不必要なコンプレックス



近い過去の出来事で得た 必要なコンプレックス



この二つがつながって 人と関わっていく力の種と気付く



その気付きは 人とこれからの未来つながっていく上で必要となる



人を見る 人を知る 人を思いやる 人を敬うという種になり



その種と 経験がつながって 



人と共に生きていく 力を得る



そして その力を得た上で あいつが どんな人間力を身につけ



どう活かし どんな人間 男になるか



楽しみに感じる そんな日でした。



僕は 講演のときに 若い衆の前科や 僕自身を含めた



いわゆる 世間で言う 悪いことを 全部話をしてこう言いました。



『 悪いことをしたから 悪い人間じゃない 』



せいじが やった犯罪は どう考えても 犯罪であり 悪いことです。



でも その根っこは 親を助けたい という 愛からきてます。



せいじを見ていて 



人間の赤ちゃんが 愛の塊のように



人生は 愛で始まり 愛を知り 愛で終わるのかな? 



そんな風に 柄にも無いことを思いました。



去年せいじの お父さんが亡くなったとき 僕はお母さんと



初めてお会いしました。



僕が去った後 お母さんは こういったそうです。



『 私も長いこと生きてきたから わかる



あんた あの人を裏切っちゃいかんよ あの人は信用できる人だよ 』



って言ってくれたそうです。



何度も何度も 騙されてきたお母さんが



一度会っただけなのに そういってくれたそうです。



せいじは お母さんの事が大好きです。



せいじは 氷室建設で 一番出勤日数が多い男です。



盆正月を含めても 年間の休みが 30日もありません。



そんな忙しい環境の中 せいじは しょっちゅうお母さんの家に行き



お母さんの様子を見に行きます。



なぜなら お母さんが 病気で そう長くはないからです。



一度自分を捨てた親 一度自分と死のうとした親



でも せいじは お母さんを 愛しています。



多分 この世界で誰よりも。



そんな一生懸命生きているせいじが 立派な男にならないわけがない



僕は そう信じています。



せいじが このブログを読むかはわかりませんが



せいじをみていて 僕は 自分自身もそうだったように



やっぱり 人には 過去と向き合い それを活かす為の



チャンスという日が 来るんだと そしてそれは



ほぼ 出会いというキーワードから生まれるんだと



改めて 強く思いました。



だからこそ 僕は 師匠に惹かれたのかもしれません。



とにかく 



せいじ 



自分を信じて一生懸命生きろ!