UNION JAP / PENICILLIN | 夕暮れビジュアル鑑賞会

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 どうも~。超お久です。

 あけましておめでとうございます。2020年、大変な年になりましたね。僕個人はというと有難いことに仕事はあるのですが、ほぼ残業必要ないほど暇になり、バンドもできず会場にも行けず家でぐーたらしてたら、6月時点で165cm69kgというまあまあのデブになりまして(笑)、70いったらさすがに7月よりダイエットを敢行。たまたまK-1とRIZINにハマったのもあってね。

 最近話題のケトジェニックダイエットで見事2か月で-10kgに成功。今は筋トレのおかげで腹筋も盛り上がってきました。今後気を付けねば…。

その分ギターと自炊・筋トレの毎日でレビュー書けず(笑)

 

さて、今回は自分の中で最熱しているPENICILLINを。PENICILLIN・Plastic Tree・PIERROTの3Pバンドばっかり聴いています。

「ロマンス」の大ヒットの後発売されたアルバムです。高校生ぐらいにPENICILLIN好きになったころ近所に売ってたのですぐ購入。

 

 

 

 

UNION JAP』

 

01.Japanese Industrial Students ★★★★☆

 15thシングル。ワウをかけたワイルドなギターと、ベースによるチョーキングが真新しいリフ。どっしりワイルドかつ開放的なハードロックで、以前より音数は少ないけど生の音圧感が強く、実にHAKUEIらしい限界まで張り上げるメロディが最高。サビ始まりでインパクト抜群、ギターも弾きまくりだし、間奏のリズム隊も力強くかっこいい。最高のOP。

 

02.MONSTER ★★☆

 これまたワウをかけ似た様な音使い、野性味溢れるハードロック。ベースがよく目立ち、歌にも熱が乗りまくり。キャッチーではないものの、ハーフテンポでグルーヴィになるサビは中々良い。あくまで4人のみの音を重視し、アレンジで厚みを補強。その分色味はちょっと薄い曲。

 アルバムの2曲目と言えば、どっしりヘヴィでメロディアスっていうのがこの曲で定着したかも。

 

03.UFO 対 ラオウ ★★☆

 なんだこのタイトル(笑)。まあ内容は未知の技術と伝統文化的な比喩とか言ってたような気がします。曲はアップテンポで比較的ベタベタのUSAブルース、普通にポップでタイトルほどの変なインパクトは無い。ブレイク後のラストは超テンポアップしツーバスで疾走、彼ららしいお馬鹿ノリが炸裂。ただ6分もあって長い。

 

04.野生の証明 ★★★

 ダンサブルで乾いたアメリカンな音作り、エアロスミスな感じ。だけどウネるメロディはジメっとしたハードロック、歌もまんまSEXについて。メロディもカッコいいんだけど、生バンド感に拘りすぎて地味な印象になってるのが勿体ない。可もなく不可もなく、ただアルバム曲の中では聴きやすい。

 

05.ウルトライダー ★★★★

 1曲目と同時発売の14thシングル、アニメ「金田一少年の事件簿」ED。これもタイトルが(笑)。昭和の2大ヒーローについて一部歌ってはいますが、基本的にはラブソングかな?非常にクリアで開放的、キャッチーなサビが素晴らしい。ワウギターも食傷気味ですがこのギターソロは良い。

 

06.BVB ★★★☆

 連呼される「バンバンバン」から取られたタイトル。ファンキーなハードロックに乗せてメンバー自身がボーカルをとる自己紹介ソング。アホなノリが強いけど抜群にノリやすい。カオティックな展開だけど歌が入ればとにかく明るい。GISHOの超低音ボイスと能天気なO-JIROが笑える(笑)

 

07.BIO COMMANDER ★☆

 タイトルは昔の特撮ドラマから?エスニックなシタールから始まるも、東洋魔術的な雰囲気のままに重厚なメタルへ。サビらしいサビも無くあまり聴き所はない、ひたすら重いグルーヴを響かせる独特な曲。しかし歌詞はただの歯医者怖いっていう内容(笑)。アホか。

 

08.扉の向こう ★★☆

 3拍子のこれまた妖しいメロディで淡々と進行する怪曲。アリス、シンデレラ、白雪姫が盛り込まれた歌詞はファンシーじゃなくグロテスク。中盤より凶器と共に爆走。張り裂けんばかりのシャウトが炸裂。「白雪姫とFuckしたら生まれてくる小人達」とか凄いキレてる。しかし演奏がシンプルすぎて、せっかくのキレた勢いが削がれており微妙。

 

09.理想の舌 ★★★☆

 13thシングル。シングルらしくない、スパニッシュで洋楽的な艶々のハードロック。少し中華な要素もあるか。とにかくエロティックで生々しい音像。メロディは派手では無いけど、低音から高音まで振り絞るHAKUEIの真骨頂。

 この曲でシングルを切るのは凄いけど、セールス的には一気に下降。TVにはまだ出てたみたいですけど。

 

10.Blue Impulse ★★☆
 洋楽的開放感に溢れたミディアムロック。前作に引き続き地球ソング、というか地球人賛歌。アクの強すぎるアルバム曲の中で唯一普通です(笑)。地味だけど普通に良い曲。ラストの盛り上がりは良い。

 

11.NICE IN LIP+L ★★★

 12thシングル。アルバム内の表記は+PENICILLINなっており歌詞もなくシークレット扱い。前アルバムの流れを正統派歌謡ハードロックで、ハードながらキラキラしたサビはまさに「ロマンス」+「CRASH」の系譜。確かにこのアルバムには合わない。ただド頭のどっかで聴いたことのあるリフは洋楽至高が強まりを感じさせる。

 

 

総評 [お気に入り度★★/おすすめ度

 PENICILLINは大好きだけど、このアルバムはちょっとなあという感じ。いや音楽的には決して悪くなく高レベルなのですが。

 前作はハードロック+V系特有の歌謡要素が絡み合って、激しくもメジャー作品らしく整理されとっつきやすい作品でした。今回シンセ等メンバー以外の音は極力排除、ベースとギターのアンサンブルから曲を引っ張る作り方とのこと。押し引きよりもそれぞれに強力なフレーズをぶつけていきパワーと厚みを出す方向生。

 ギター関連の機材が大きく変わり、生々しい歪みにワウ(ぎゅわ~んうお~んってやつ)を多用。カッコいいのですがワウ使い過ぎて各曲の印象がぼやけ気味。

 

 うーむ…。

 ただただ曲そのものがあまりカッコよくないという(笑)。洋楽感はかっこいいんですが、歌謡要素は減退。歌詞も曲もネタに振り切り過ぎて、素直にカッコいいとは言わせてくれない…。アルバム曲のクセが凄いの。クセしかない。優しいミディアム、美しいバラードは皆無。もともとそっち系は強いバンドではないものの、とにかく今回はきんに君ばりにパワー!な作風。

 やっぱりねー、長身イケメンが集まったヒーローの様なバンドイメージが強すぎて。もともとネタ要素あるけど、今回のアクの強さは未だに慣れない(笑)。シングル曲はキャッチーで満点かっこいいですけどね。ただ「ロマンス」の勢いは保てずセールスは大幅現象、メジャー作品は今作で最後となりました。

 しかし、「Japanese~」のより洋楽的なハードさ+突き刺さるPENICILLINメロディの路線は、次作以降一気に高みへ。現在のニューメタル的ヘヴィさも、今作のバンドファーストな作風があったからこそ。

 

 ちなみに今作のジャケット含めアートワーク全般、糞ダサいです。ジャケットはシンデレラかな?それは良いとしても笠地蔵はなあ…。

 『UNION JAP』というタイトルは、日本人の悪いところを皮肉りつつもUNION=日本人として一つになろうぜ、というような洒落が効いて非常に良いと思うんです。

 でもなぜこうなった…。「扉の向こう」に引っ張られ過ぎか!前作はめちゃくちゃに良かったのに…同じレコード会社のはずなのに…。

 

ベストソング / Japanese Industrial Students