マグロ / ラッコ | 夕暮れビジュアル鑑賞会

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 どうもー。今回はラッコ、です。ボーカルの平一洋、というかてんてんと言った方が有名でしょうか。餞ハナむケ。、KuRt、ケミカルピクチャーズと、2000年代以降のこの界隈で長くキャリアを積んできた人。声質もさることながら心に突き刺さる熱いボーカルが大好きです。特にケミカルピクチャーズはめちゃくちゃ好きで…。

 そんな平一洋のセッション以外では最新のバンドで、2016年より活動開始、そして今年無期限活動休止と、短命でしたがどの曲も素晴らしかったです。彼のバンドはあまり長続きしないのがちょっと切ないですね、どれもほんとかっこいいのに。

 

 

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 そんなラッコですが、この『マグロ』はシングルとしては最後の作品となってしまいました。しかも全曲cali≠gariカバーでゲストボーカルにあのイガグリ千葉(仙台貨物)という、コンテンツが大渋滞の作品(笑)。

 

 

『マグロ』

 

01.マグロ ★★★★☆

 僕がcali≠gariを聴くきっかけとなった曲、それを大好きなバンドがカバー、とても嬉しかったなあ。基本は原曲のまま、ですが特にギターが原曲に比べ(失礼)テクニカルでめっちゃかっこいい。平一洋のボーカリゼイションも相変わらず熱い、かつクールな歌声がかっこよすぎる。スタイリッシュマグロ。そこに乗る千葉さんは相変わらず千葉さんで(笑)。曲こそ厚みを増しカッコよさは倍以上ですが、仙台の幼馴染コンビニよる凸凹ツインボーカル、また別のベクトルでカオス。最高。

 

 

02.マネキン ★★★★

 2010年の曲だそうですが聴いたことなかったです。こちらはパンキッシュかつカントリーの香りも、でもやっぱりcali≠gariらしいカオティックさ。歌詞がイッてますねー。「この首は、何処行った?」のメロディが可愛らしくて好き。キレたボーカルも熱い熱い。これは復活後のcali≠gariも聴かなきゃだ。

 

 

03.青春狂騒曲 ★★★★

 こちらもcali≠gari代表曲。フォークの哀愁と青春パンクの融合、好きでしたね~。原曲を尊重したアレンジ、上手いな、ぐらいで目新しさはないかな。でも!やっぱりこの手の曲に平一洋の声質は良く似合う。爽やかさの中に隠しきれない影と激情。これはかっこいいわ。

 

 

総評 [お気に入り度★★★★☆  おすすめ度★★★★

 カバーといえどもしっかりとラッコの魅力も垣間見える一枚。彼のことばかりで申し訳ないですが、平一洋のマッチングが素晴らしい。かっこいい。そしてバンド陣も原曲を更に分厚くしたアレンジがめちゃくちゃ良い。cali≠gariはギターが弱くてあまり聴かなかったのですが、ラッコのツインギターは激しいのからオシャレなフレーズまでなんでもござれで上手い(青さんディスじゃないよ!)。まあ15年以上前の曲ですから厚みとかは音質は良くなって当たり前ですが。

 

 少し残念なのが、cali≠gariの音楽面で大きなウェイトを占めるベースの存在。ちょうどラッコのベーシストが脱退してすぐの発売のため、サポートが弾いているんですよね。いやめっちゃ上手いんですよこれが。でもせっかくならメンバーが弾いてほしかったところ。PVもあるだけにね。前任のIvyも結構好きだったんですよ、Moranよく聴いてたし。

 

 ただ正直千葉さんは別にいらないなと(笑)。嬉しいんだけどね。それよりもてんてん×YOMIが聴きたい!

 カオティックでタイトでハード、かつジャジーなお洒落サウンドもイケちゃうラッコの魅力が詰まって…はいないけど、cali≠gariファンにも手に取ってほしい1枚。良いです。

 

ベストソング / マグロ