どうもー。今回もラルクですが、『ray』を書こうと思ったところ、前『ark』のレビュー書きましたが全然感想も今と違うと思うんで先にそっち書きなおそうと。実に5年も前だし(笑)
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人気絶頂の99年に『ray』と共に前代未聞のアルバム2枚同時リリース。どちらも200万枚売れてしまうのだから、当時の音楽業界は恐ろしい。
hydeソロをMステで見たのが最初のきっかけですが、最初に買ったラルクのCDが『ark』と『ray』。中古屋で安かったし(笑)。
GLAYにはまっていた頃で、すっとラルクもはまっていきましたね。今でも全部カラオケで歌えちゃう。ただテレビや雑誌で見れたわけじゃないから、どんな人たちかわからない状態がしばらく続いて。そんな中代々木の「ShibuyaSevenDays」(もちろん行けなかったけど)と復活の発表はとても嬉しかったですね。
『ark』
01.forbidden lover ★★★★
まずはken作曲のシングルから、壮大に幕を開けます。淡々と、サビからエンディングに至るまで続くマーチングドラムがとにかく印象的。歌詞は戦火の中の恋人でしょうか、時代が許さなかった恋。淡いアルペジオやブルージィなギターソロ、重心の低い歪んだベースがその情景を描き、エモーショナルに歌い上げるhydeに心揺さぶられる。映画音楽を思わせる迫力と壮大さは、ラルクだからこそできる技。
ライブではたまに演奏されますが、hydeも感極まり涙するほどの悲哀に満ちた、救いはないけど美しい曲です。
02.HEAVEN'S DRIVE ★★★★☆
hydeらしい軽快なロックナンバー、ミリオンヒットを記録しさすがに僕も知ってました。ラフにかきむしるギターと、ホーンを加えド派手に盛り上がるサビが気持ちいい。一流プロデューサー岡野ハジメ氏をして「3本の指に入る演奏」と言わしめたtetsuya節全開のベースがこのドライブ感のキモ、サビだろうが何だろうがお構いなしにうねりまくり。
2部構成のギターソロも最高にかっこ良くてお気に入りの曲。ライブでも定番、テンポアップしてさらにかっこよく、PVも一番好き。
「ark=箱舟」と「ray=光」はどちらもこの曲の1節に登場しています。
03.Driver's High ★★★☆
これも超有名なtetsuya作曲の疾走感満点なロックナンバー。アニメ「GTO」のOPでよく聴いてました(笑)、実はアルバムが初出。もう特に語るようなこともないですが、名前の通りアクセル全開に爽快でキャッチー。ドライブ中マジで盛り上がる(笑)。CDではシンセが数種入ってたりアコギ入ってたり、よく聞くと意外とバンド以外も面白い。
ライブではやらない日あるの?って位超定番で、数年前まで飽きて全く聴かなかったんですが、ライブ行ったり映像見たりするうちにまた好きになった曲。
04.Cradle ★★★★★
yukihiro作曲の、ファルセットを活かしたゆったりとメロウなナンバー。タイトルは揺りかご。英詩そのままに宇宙に漂うような浮遊感、生も死も意味をなさないような心地よい音空間に包まれる。スクラッチ音やレトロなギターサウンドが意外とマッチ、演奏面でもかなり好き。
最近アコースティックアレンジでB面収録されましたが、原曲をまたライブでやってほしいな。yukihiro曲で一番好きだし、ラルクの中でもTOP10に入る曲。
05.DIVE TO BLUE ★★★
2枚同時関連では一番古いシングル曲、tetsuya作曲のポップロック。ディレイを駆使して羽ばたくギターと、開放感たっぷりのサビが超キャッチ―。荒々しいギターソロはライブよりもCDのほうが好き。昔からラルクはポップだけど、ここまで振り切った曲はこの頃だと珍しい。
昔死ぬほど好きで今飽きちゃってるのだけど、これも「L'ArcChristmas」でやってくれて再燃してる一曲。
06.Larva ★★★☆
yukihiro作曲のインスト。ドラムンベースというのかな、ジャンル的には。超個人的に初代のプレステを思い出して好きです(笑)。ダンレボとか。一曲通してテーマ部分は変わらないけど、意外としっかり展開し前半後半と音が違って楽しめる曲。
何気にCGを駆使したアートワークと一番融合した曲では。
07.Butterfly's Sleep ★★★☆
前曲からそのまま繋がり、「幼虫」から「蝶」へ。こういう曲はやっぱりkenちゃん曲だなと。全体的にインディーズの『DUNE』に入っていそうなほどV系の名残があって、低音を活かしたhydeも歌詞を含めあの頃を思わせる妖艶さ、ベースのリフでガンガン引っ張っていく感じも初期っぽい。
オリエンタルな歌メロとストリングス、とハードに歪んだのギターとベース、エレクトロな「Larva」のフレーズがそのまま入っていたり、普通なら共存しなさそうな要素を融合させた佳曲。
08.Perfect Blue ★★☆
芸能人tetsuyaの恨み節全開、能天気なハワイアンポップに乗せてひたすら皮肉る中々な怪曲。「僕に出来ることと言えば中指を立てるだけ」なんてキレてて痛快。暇なハイエナにFUCK的な。パパラッチに向けたのか過激なファンに向けたのかわかんないですが、これを10万人集めた野外ライブでやっちゃうのもキレてる。
まったりと脱力した演奏と打ち込みに、hydeの中性的な声が結構合ってる。
09.真実と幻想と ★★★★★
ken作曲のミディアムナンバー。ムーディな異国感とhydeの粘っこく妖艶なファルセットがインパクトを残す。Wikiによるとモロッコをイメージしたとか。
ギターなんかは渋くブルージィなのに、バスドラがドラムンベース的に歪んでいたり、5弦ベースが重心低く唸り、リズム隊とピアノは無機質。すべてが絡み合って官能的で幻想的、これを表現できるのがラルクの強み。
kenちゃん自身が選曲したベストに選ばれていたり、25周年ライブでやってたり割とメンバーも好きなのかな。
10.What is love ★★★★
夕暮れを思わせる穏やかな曲、時折何かに追われるようにテンポが上がったり戻ったり。アレンジとか曲調とかまあ地味なんですけど、やっぱりそこはtetsuya曲、メロディがかなり良い。毒気はないけどじんわりと染みる曲
地味と言いつつ、15周年の時の人気投票では34位で意外と健闘。またやってほしいなあ。
11.Pieces ★★★☆
この曲でもtetsuyaが稀代のメロディメイカーとして本領発揮、「あなた」に続く美メロバラード。恋人よりかは生まれ行く新たな命への愛情を、この上なくメロディアスに歌い上げる。hydeが歌うからこそってのもありますけど、純粋に名曲ですね。汽笛のような唸りをあげてエモーショナルに弾きまくるギターソロも熱い。
シングル版はラスサビ前のストリングスの音色が違って、一瞬の間が挟まれてます。べたですけどドラマチックで僕はシングル派。
総評 [お気に入り度★★★★ / おすすめ度 ★★★★]
『HEART』にあまり入っていなかったからか、tetsuya曲が5曲も採用。それに「Driver's High」が強すぎるのか(笑)ポップサイドな『ark』ってイメージが若干あるんですけど、もちろんそれだけではない。多種多様、という意味ではポップですけど、中々に濃ゆいアルバム曲がそろってます。「forbidden~」から始まるってのも濃い。
アートワークが近未来的であるのに加え、デジタルなアレンジも増えてきました。そこはyukihiroの影響が大きそうですね。『ray』は生音重視にまとまっていて、同じような作風にはなっていない。
どうしても前半が派手でインスト~後半が地味なんですけど、かといってバラしてもなじみ悪そうだし…。その辺で割りを食ってる感はあります。
でも個人的に好きなメロディが多くて。最初から好きなアルバムでしたけど、大人になってからどんどん1曲1曲が好きになっていったアルバム。
定番曲が入ったアルバムとしてもおすすめですし、アルバム曲のアクの濃さも楽しめる作品。まわりにこっちが好きって人全然いなんですけどね(笑)。まあ「Cradle」大好きなあたりがっつり趣味合う人はなかなかいませんが。
15周年記念で貴重なメイキングやテレビ出演時の映像、野外ライブのバックステージが収められた復刻版も発売されてます。関係者のインタビューが大半を占めてますけど、もし買えるならそっちの方をおすすめしたいですね。
ベストソング / Cradle