3年ぶりの投稿です、どうも。
最近GLAYやラルクのライブいったりフェスにいったりして非常に音楽に対しポジティブになっているのと、それを共有したい!という感情がまた芽生えてきたんですよね。
あと数年で30歳になるのですが、いくつになってもヴィジュアル系は最高だなと(笑)
あと以前書いた時今とでは印象が違う曲も多いので、暇があれば書き直したいですし。
ということで今回はラルクです。昨年参戦した「L'ArChristmas」が最高に次ぐ最高だったので、またラルクを聞きまくってるわけですが、今回は『heavenly』のレビューです。
件のライブにおいて、実に22年ぶり(!)に演奏された「静かの海で」にいたく感動しまして…。
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この『heavenly』は確か、活休中にark/rayで出会い、3枚同時のベスト→SMILE→Tierraと聞いてきてその次に買ったような気がします。
たぶん中1とかだったと思うのですが、あまりにも『Tierra』が良すぎて、『heavenly』は自分の中で影が薄かったです。ラルクの中では比較的聴いていない方のアルバムということで、新鮮な発見をしたくてレビューしようと思い立ったわけです。
『heavenly』
01.Still I’m With You ★★★
心地良い浮遊感と透き通った空気が印象的なオープニング。躍動感あふれるリズム隊、空間を包み込むギターと曇りのないhydeの歌声はこれぞ初期ラルク。アクの強い楽曲しか聴かなかったので超久々にちゃんと聞いてるのですが、いいなあこれ…。どこまでも高く舞い上がるサビの解放感とドラムが素敵です。
初めて聞いたときtetsuya曲かと思ったらken曲だったという
02.Vivid Colors ★★★☆
ken作曲の2ndシングル、95年の作品ながらラルク流ポップネスは既に完成している。伸びやかなイントロ、アコギ、サビのカッティングとken節が炸裂。キャッチャーながら憂いを帯びたメロディも気持ちよい。
人気投票のベストには入らなかったけど、シングルではかなり好き。たまに演奏されてますね。
03.and She Said ★★★
hyde作曲の先行ビデオシングル、厚みのあるハードロック、タンバリンやオルガンが軽快な印象も与える。音の遊びも比較的多め。サビでは力強いhydeと楽器隊のコーラスが映える。でも主役はベースですね、この曲は!サビうねりすぎ(笑)。失恋ソングではないでしょうが、やるせない歌詞がまた印象的。最近また日の目を浴びているのは嬉しい限り。
04.ガラス玉 ★★★★☆
ken作曲の、タイトル通り透き通るような音像のミディアム曲。波の音、時計の針、溶け合うバンドの繊細な演奏と歌。穏やかで、しかしサビで大きく力強く爆発するメロディの気持ちよさ!!聴いてる側も言いようのない感情が溢れてくるような、色褪せない名曲だと思います。速弾きで感情を爆発させるギターソロも名演。聴き所の多い曲です。
歌詞から想像できるのは、海に沈みながら口から零れる泡をガラス玉に例えた様子。死を明示しているわけではないですが、思いを巡らせずにはいられない描写が秀逸。
05.Secret Signs ★★★☆
一転してken作曲のハードジャズ?(笑)という印象なナンバーへ。跳ねるドラムに乗るウォーキングベースに、ヘヴィーな歪でまさかの指弾きを乗せるkenのセンス。歌詞も非常にセクシーで歌も艶やか。これも想像力が掻き立てられる。
現在のラルクではあまりお目見えしないような官能さと楽器陣の絡み方が良い。
06.C'est La Vie ★★★★
98年以降のtetsuya節全開!な曲とはまた毛色の違う、ほんのり異国感で軽やかなポップロック。フランス語のせいか所謂J-POPとはまた違う優雅さもあり、レンガ調の街並みを一人物憂げに歩く様子というか。
タイトルは「人生そんなもんだ」的な。どこか諦めにも似た明るさ、自棄だけど少し煮え切らない感もある。「指先は寂しくあなたを探して」「どうやら配役はうつろな通行人のきざし それならひっそり彩り添えるよ」なんて、歌詞がいちいち良いんだよね、せつない。
07.夏の憂鬱 ★★★★☆
ken作曲、後にリアレンジしてシングルカットされる軽快な歌謡ロック。あちらはサビとCメロが追加、メロウで憂いの強い演奏にアレンジされ、よりドラマティックな印象。断然そのシングル派だったのですが、改めて原曲聞いたらめっちゃ良いじゃないか!と。
シングルより音数が多く、ジャカジャカとしたアコギとピアノによってより軽快、全体的なベースの暴れっぷりも気持ち良い。メロディも様々な表情で盛り上げるというわけではないのだけど、サラッと流れていくのが逆に切なさを引き立てる。
シングル版はちょくちょく演奏されてますが、こっちも是非やって欲しいなあ。
08.Cureless ★★
tetsuya作曲、ダークめのメロディアスナンバー。イントロからベースがぐいぐいと引っ張り、ギター以外にも歌中はクリーントーンで押し通し、重苦しくはない。サビは正統派なヴィジュアル系といったメロディで疾走感がありかっこいい。
わりと周りやネット上では人気のある曲ですが、全然好きじゃないんですよねえ…。テンションがグッと上がるポイントがないんだよなあ。
09.静かの海で ★★★★★
珍しく作曲者がラルク名義の曲、実際はsakura主導だとか。「静かの海」とは月にある大きなクレーターの名前、そこに残された月面探査機を主人公にした曲というのをどこかで見た。
そのうえで聞くと、演奏から歌詞からメロディから雰囲気の描写が素晴らしい。不穏な効果音からいきなりAメロが始まるのですが、そこから既に宇宙が広がりますもん。宇宙空間に音はないけれど、音で宇宙を描くバンドの表現力。
ラスサビでは華やかに盛り上がり、「feel heavenly」のコーラスを繰り返す演出が美しい。宇宙を泳ぐようなギターソロも、無垢な喜びを歌い上げるボーカルもすべてが気持ちよくて、ラルクの魅力が存分に詰まった曲。
「L'ArChristmas」で超久々に披露。頭の音声が流れたときにもしや…と思い、hydeが「一人残されて…」と歌いだした瞬間もう鳥肌が全開でした。初日に見たというあって、ため息や涙混じりの歓声が会場から溢れた時、少し泣きそうでした。この曲をもう一度聞きたくてずっと待っていた人もいたはずですし、ここで死んでも悔いはないかなってくらいの気持ちになってしまった。
10.The Rain Leaves a Scar ★★☆
前曲で大団円と思われたようなこのアルバムは、まさかのハードナンバーで締め括り。この曲順は賛否両論かと思いますが、メロディアスで純粋にかっこいい曲。ただ、どうしても「静かの海で」を聞き終わった後に聞くと地味だなと(笑)。ハードに締めるのは全然いいですし、この曲は好きですけど、「静かな海で」が強すぎた。
総評 [お気に入り度★★★☆ / おすすめ度★★★]
メジャー2ndアルバムにして、前作と比べるとポップな色合いは強くなりより聴きやすくなった作品。単純にポップなだけでなく、よりカラフルに色彩が広がったと言える。
歌詞も失恋系が多いのは変わらずですが、自身とリンクさせやすいというか、いい意味で現実的な生活感のある描写が増えたかな。
その中で「静かの海で」のような大曲があったり、シンプルなポップロック、DEAD ENDから続く耽美系ハードロックまで、ラルクの多様性が垣間見えるアルバム。ライブの定番曲
これから遡って聴こう!って人には1stの『Tierra』よりはいいかもしれないけど、是非インディーズの『DUNE』から順番に聴いてみてほしい。きっと面白いよ。今なら安いし(笑)
CDの帯には「heavenlyを召しませ」とあり、買った当時はよくわからなかったけど、今いいヘッドフォンでじっくりと聴くと、その意味が体感できましたね。heavenではなくheavenly、現実と幻想の間にいるような感覚になれるアルバムかも。
ベストソング / 静かの海で