もう何も握りしめている必要
はないんだよ。

そんな声がして。

記憶という名の物語から
飛び出して、
一瞬、一瞬を生きようと
思った。

愛する人の命を失うことさえ、
この人生への贈り物だと知った。

命を輝かし尽くして身体を
離れたあなたは、
私に見せてくれたんだね。

なくすものなんて何もない
のだと教えてくれたんだね。

もう怖がらなくていい。

もう頑張らなくていい。

全てここにある、と。


身体を出るそのことさえ
命の喜びのカタチ。

すべてなくすとしても
この喜びだけは持っているだろう。

すべてを握りしめたとしても
この喜びがないところに
私の幸福はないのだろう。


昨日の私は死んで
今日の私が生まれた。

毎日が喜びの日。

祝福されて生きている。

そんな気持ちで生きていこう。