REAL ME -11ページ目

初めて

はじめてナイフを向けられたときのことを覚えてる?

交感神経がフルで優位になる感覚。
瞳孔は散大、気管支は拡張してより多くの外気を取り入れようとする。
心拍数は異常なほど上がり、全ての消化管機能が停止するような、


いつ走り出すかが問題だった。
きっと今の状態なら、いつもより数秒早く走れるだろう。

タイミングなんだ、後は。




真に勇敢な者は早死にする運命にある、と誰かが言っていた。
この世界で生き残る奴は、みんな臆病者だと。


本当にその通りだった。

臆病者の私は見事生き残った。


涙も出なかった。
勇敢であることと愚かであることは紙一重だと感じた。



この世に必要な存在程、呆気なく消えてなくなるんだ。
そう思わない?


相方が

いい奴すぎて泣かされてしまった。
この寒い中あの距離を歩きで帰って行ったよ…

やばい、書いててまた泣きそう。



治ったら何十倍にもして返そう、うん。

君の声が、どうしても泣き叫んでいるようにしか聞こえなくて
わたしは何度も耳を塞ぎたくなった。

でも、そうはしなかった。
わたしはその状況に耐える必要があった。

君が喉から絞り出すように発した音は、
わたしをすぐにズタズタにした。

うまく呼吸運動が行えないわたしは、
冷たい真っ黒な床に身体を横たえて苦しみに耐えた。


君の目は嫉妬心で染まって、怒りにも似た感情を抱いていることが容易に理解できた。

君は声が枯れるまで叫んで、
わたしは君の声が枯れるまで耐えた。


それだけ。