三菱UFJ銀行が
定期預金の金利を100倍に
日本銀行は10月31日の金融政策決定会合で、長短金利操作(イールドカーブ・
コントロール、YCC)の再柔軟化を決めた。
10年物国債の金利1%超を許容する内容である。
この翌日、定期預金の金利を引き上げると即座に発表したのが三菱UFJ銀行だ。
10年物の定期預金を、0.002%から0.2%へと100倍に引き上げた。
これは2012年以来、約11年ぶりの金利水準に戻したことになる。
日銀の政策修正の翌日に動いたことで、市場関係者からは「かなり用意周到に準備していた
のではないか」との声も上がっている。
これに対し三菱UFJ銀行は「日銀の金融政策決定会合にかかわらず、
市場の実勢レートを踏まえて定期預金金利を引き上げた」と説明する。
日銀の政策決定は関係なく、あくまで金利のトレンドを踏まえての決定ということだ。
その真偽は定かではないが、他の銀行が市場の実勢レートだけで定期預金の金利引き上げを決めているわけではないことは確かだ。
2023.11.2テレ朝ニュース
他行も追随
長期金利(新発10年物国債)が約10年ぶりに0・8%台後半まで上昇し、
メガバンクや信託銀行が定期預金金利の引き上げに動き出しています。
日銀による金利操作の再修正を契機に、超低金利時代に終止符が打たれ、
“金利のある世界”に戻るのか今後の動向が注目されています。
ただ最近の金利上昇は、米国の長期金利につられて上昇したものだという見方もあります。
三井住友信託銀行も5年定期金利を0・002%から0・07%に引き上げました。
他行の追随も想定されます。
今後
2023年11月以降、日本国内の銀行で定期預金の金利引き上げが相次いでいます。
2023年11月23日現在、10年物定期預金の金利は、三菱UFJ銀行、三井住友銀行、みずほ銀行、りそな銀行、広島銀行、百十四銀行などで0.2%、阿波銀行などでは0.15%となっています。
これは、2011年以来12年ぶりの高水準です。
この金利引き上げの背景には、以下の3つの要因が考えられます。
1. 日銀の金融政策の転換
日銀は、2023年4月に、長らく続けてきたマイナス金利政策を終了し、政策金利を0.25%に
引き上げました。
これは、インフレ率の上昇を抑制するための政策転換です。
2. 米国の金融引き締め
米国の中央銀行であるFRBは、インフレ率の上昇を抑制するために、
2022年から金融引き締めを進めています。
FRBは、2023年7月27日に、政策金利を0.75%引き上げ、0.75%の利上げ幅は、
1994年以来28年ぶりの大きさでした。
3. 長期金利の上昇
日銀やFRBの金融政策の転換を受けて、長期金利が上昇しています。
長期金利は、銀行が貸し出す金利の基準となるため、銀行の預金金利も上昇する傾向に
あります。
銀行の預金金利の引き上げは、家計にとって、預貯金の利息収入の増加につながります。
また、投資家にとって、預貯金よりも高い利回りを求めて、株式や債券などの投資に流れる
可能性があります。
今後、日銀やFRBの金融政策や、世界経済の状況などによって、銀行の預金金利はさらに上昇する可能性があります。
住宅ローン金利の影響
銀行の預金金利の引き上げは、住宅ローン金利にも影響を与えると考えられます。
住宅ローンの金利は、銀行が貸し出す金利の基準となる長期金利に連動して変動するためです。
現在、長期金利は上昇傾向にあり、今後も上昇を続けると予想されています。
そのため、住宅ローン金利も、今後上昇していく可能性が高くなります。
具体的には、固定金利型の住宅ローン金利は、2023年11月時点では、10年固定で2.25%程度と
なっています。
今後、長期金利がさらに上昇した場合、固定金利型の住宅ローン金利も、2.5%程度まで
上昇する可能性があります。
変動金利型の住宅ローン金利は、現在、0.35%程度となっています。
長期金利の上昇は、変動金利型の住宅ローン金利にも影響を与えますが、
その影響は固定金利型ほど大きくはありません。
そのため、変動金利型の住宅ローン金利は、今後も0.4%程度で推移する可能性が高いと考えられます。
ただし、今後の住宅ローン金利の推移は、日銀やFRBの金融政策や、世界経済の状況などに
よっても左右されます。
これらの状況によっては、住宅ローン金利が予想以上に上昇したり、下がったりする可能性も
あります。
住宅ローンを検討している方は、今後の住宅ローン金利の動向を注視し、適切なタイミングで借り入れを行うようにしましょう。
今日は以上です。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。