先に土地を購入して注文建築を建てる際の融資の流れ | ファイナンシャルプランナーで現役住宅営業が語る住宅購入学

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住宅購入支援や住宅ローン、金融全般について記載していきたいと思います。少しでもお役に立てる方がいらっしゃれば、嬉しいです。

(当ブログは、私個人的な様々な意見を記載しています。
あらかじめご了承ください。)

 

 

 

 

 

 

注文住宅を建てる際は、住宅自体を契約する前にまず土地を購入するケースがあると思います。

しかし、土地だけを購入する場合には通常は住宅ローンが組めません。

 

住宅ローン、なので当然その上に住宅が建つという確約がなければならないということです。

 

以前から私のブログをみてくれている方なら、すでにご存知かもしれませんが、

もう一度「注文建築を建てる流れ」についてみてみましょう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

【注文建築の流れ】              【代金支払いタイミング】

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概算資金計画とプラン、

仕様の計画

 

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土地の申し込み

 

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土地の売買契約            ◀  土地の手付金(売買代金の約10%)      

 

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土地の引き渡し            ◀  土地の残代金・諸費用・登記費用など

 

 

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建物の工事請負契約          ◀  工事の手付金(工事代金の約10%)

 

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  着工               ◀  着工金(約30%)

 

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  上棟               ◀  上棟金(約30%) 

 

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 完成・引き渡し           ◀  残代金・諸費用・登記費用など 

 

 

 

 

 

 

 

 

以上が土地を購入して、注文建築を立てる場合のおおまかな流れになります。

 

住宅ローンのお金が支払われるタイミング(融資実行日)は、マイホームが完成して

建物の引き渡しがある日に設定されています。


しかし、住宅を建てる際には住宅ローンの融資実行日以前にも大きな金額がいります。

土地の購入代金や建築工事の着工金、上棟時の中間金などの支払いのための金額は、

融資実行前に必要です。

 

土地を先行して購入する際に、自分の蓄えだけではまかないきれず、何らかの融資が必要な

場合には、つなぎ融資や土地先行融資を検討することになります。

それでは、つなぎ融資や土地先行融資について、どのような融資なのかを詳しくみていきます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

1,つなぎ融資

 

つなぎ融資とは住宅ローンが融資実行された日までの「つなぎ」として利用する

融資のことです。

土地先行購入時に検討する融資としてはもっとも一般的なものだといわれています。

 

住宅が完成し、住宅ローンが実行されれば、つなぎ融資の金額を清算しなければなりません。

清算する方法は以下の2種類です。

 

· 住宅ローンが実行された時点で利息と元金を一括返済する方法

· 利息のみを毎月返済し、元金は住宅ローン実行時に返済する方法

 

担保がある住宅ローンとは違い、無担保のローンとなるため、つなぎ融資は一般的に

24%のやや高めの金利が設定されています。

別々の金融機関でつなぎ融資と住宅ローンを借りることは難しく、基本的には

住宅ローンもつなぎ融資も同じ金融機関で申請します。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2.土地先行融資

 

土地先行融資とは、住宅の融資の前に土地部分の融資を先行して受けられるローンのことです。

土地先行融資は分割融資(1つの融資に対しての支払いタイミングを分割する契約を指す)の

ひとつで、土地購入時に融資を受けたい方におすすめの融資方法です。

 

住宅ローンの金利で利用できるため、つなぎ融資よりも金利が低くできることがメリットです。

 

ただし、つなぎ融資と違い、抵当権が発生するため、土地そのものの抵当権登記が必要と

なります。


また、住宅を建てる証明として、審査の際は建物の正式な見積書や図面が必要になる場合が

多いです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


3.土地先行融資のメリット

 

土地先行融資を利用するメリットは、以下のとおりです。

 

· 現金(資金)が少なくても土地購入とマイホームの新築ができる

· 担保があるため金利が安いこと

· 土地購入時点で融資が受けられること

· 住宅ローン控除が受けられること

 

土地先行融資を利用するうえでとくに大きなメリットは、自己資金が少ない方でも

土地購入とマイホームの新築ができることでしょう。

 

住宅と土地を一本化して契約する場合、住宅ローンの融資実行が土地の代金の支払い時期に

間に合わないため、高額な土地代金を自己資金、もしくはつなぎ融資で支払う必要が

出てしまいます。

 

しかし、土地先行融資を利用できれば土地購入時に融資実行されるため、自己資金や金利の高いつなぎ融資への負担が減り、気に入った土地を取得しやすくなるのです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

4.土地先行融資のデメリット

 

土地先行融資を利用するデメリットは以下のとおりです。

 

· 抵当権設定などで事前準備が大変なこと

· ローンの手続きの手間や契約書の印紙代、金融機関の手数料が2回分必要になること

· 土地の融資実行から返済が始まるケースがあり、支払い開始時期が早い可能性があること

· 土地先行融資ができる金融機関・ローンが少ないこと

 

なお、ローン手数料として必要な金額の相場は1回につき35万円で、契約書の印紙代は

金額に応じて変わります。

 

また、土地先行融資を含め、分割融資は回数に制限があるケースが多く、新築工事の契約金・

着工金などの土地代金以外の支払いでは使えなくなる可能性があることにも注意が必要です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

5.「土地先行融資」「つなぎ融資」のどちらがよいかを判断する方法

 

トータルの支払金額で比較

 

土地先行で購入する費用を融資してもらう場合、「住宅ローンと比較すると少し金利は

高いものの、金利の安い土地先行融資が使える」というメリットがあります。

しかし、一概に金利を比較するだけで判断するのは尚早です。

 

つなぎ融資でも、「高金利のつなぎ融資を利用することになるが、住宅ローン自体の金利が安いケース」があります。


その場合、工期が長くならず、住宅ローンの融資実行が早ければ、高金利のつなぎ融資を

利用する期間が短くて済み、トータルの支払い金額が安くなるかもしれません。


ただし、住宅ローンの実行までの期間が長ければ、つなぎ融資の利息支払い期間が延び、

トータルの支払い金額が高くなります。

工期は天候や災害などで伸びる場合もあるので、注意が必要です。

 

一概にどちらを選べば必ず安くなるとは言いにくい部分がありますが、検討する場合には、

実際の状況にあわせてトータルの支払い金額をシミュレーションし、

トータルでの支払い金額を比較してみるといいと思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

まとめ

 

住宅ローンとは居住用の住宅建築費用に利用できるローンのため、一般的には土地先行の

購入だけでは住宅ローンを組むことはできません。


しかし、土地先行融資であれば、マイホームを建てるという根拠と土地という担保がある状態で

借りられるため、住宅ローンと同等の低金利にできます。

 

また、土地先行融資の部分に対しても条件を満たせば住宅ローン控除の対象とすることが

可能です。

 

土地先行融資を受けるのであれば、住宅ローン控除の対象とするために、土地や建物の名義、

ローンの名義、ローンの完済時期などの条件を確認しておくといいでしょう。

 

 

 

 

 

 

 

今日は以上です。

最後までご覧いただき、ありがとうございました。