夫の車 シトロエン C6
車好きのわがまま少年である夫が、最後の車に欲しいと言って購入したシトロエンC6。(2023.5)
購入時、車検がなかったこともあり、長く乗るための部品交換なども含めた修理と車検を、シトロエン千葉にお願いしていた。
夫はシトロエンC6の修理が終わるのを楽しみにしいたが、病状が悪化し入院になってしまった。(2023.6)
入院中もシトロエン千葉とやり取りを重ね、C6の修理が終わるところまで来たが、夫の体調は良くならず、退院の目処が立たずに過ごしていた。
そんな中でも、夫はシトロエンC6の仲間が集うFacebookなどで、多くの仲間とやり取りをして楽しい時間を過ごしていた。
しかし、夫の肺がんは変異を続け、効果のあった治療薬にも勝る侵攻具合で、夫は退院できることなく、亡くなった。(2023.8)
夫の亡くなった後、夫の荷物からシトロエンC6の高額な修理代の見積りを見つけてしまった。
シトロエン千葉とやり取りしていたのは知っていたが、夫の趣味なので、中身は聞いていなかった。実際に聞いていたら、文句を言ってしまうところがあったと思うので、夫の領域であると線を引いて、私からは何も聞かずに、夫の好きなようにさせてあげられたのは良かったと思っている。(最終的に、高額なのは困ったけど。)
夫は自分の病気のことも理解していたし、大きい車で運転もできずに、残される私が困ることも理解していた。
だから、シトロエンC6の購入を検討している時点で、車について、いろいろ相談にのってもらっている方で、多くのネットワークを持っている方に、自分の亡き後、C6を大切にしてくれる引き継ぐことを手伝って欲しいとお願いしていた。
先の長くない病気であること、亡くなった後、車を大切にしてくれる方に引き継いで欲しいなど、こっち都合のお願いではあったが、ありがたいことに、その方は了承してくれた。
夫が亡くなった後、私はその方を頼った。
さらに、その方は、シトロエン好きのネットワークで、全国の方たちに協力してもらった。みんなが協力してくれて、最後の最後まで親身になってくれました。
夫のシトロエンC6は私たち家族から離れました。ずっと大きな存在でいたから、無事に引き継げ、ホッとした気持ちと、心にぽっかり穴が空いたような寂しさも、今はあります。
これからは、新しい所有者さんとたくさんの思い出を作ってね。本当にありがとうシトロエンC6