ある日、「課長、話があるのですが」と課員に言われ、結婚とかの報告かなぁ?などと安易に考えながら、きちんと話を聞くため、別室に行った。


「◯月末で退職したいと思っています。新しい会社も決まっています。今とは違う分野です。」と。



退職して新しい仕事をしたいと思っている私としては、前向きにやってみたいことに踏み出す勇気が羨ましく、応援したい気持ちになった。

だから、驚きはしたけど、引き止めるようなことは言えなかった。むしろ、辞めて前に進むっていいなぁって気持ちで話をした。


重要案件だし、すぐに上司に報告した。総務次長が人事部署に報告すると、引き止めしたのか?など言われたそうで、何度も聞き取りしたり、所長と面談したり、いろいろな確認をすることとなった。


そんなやり取りを見ていて、退職するのも簡単ではないと思った。

と言っても、本人の人生は本人のものなので、所長は確認って感じで、本人の意志を尊重して面談していた。



また、違う課の他の人が退職するらしい。

その人はある日の午後、体調が良くないと休みを取り、その日のうちに、「もう出社しません。」「年休40日と病気休暇180日を取得し退職します。」と連絡があったそうだ。



そんな退職していく人たちを眺めている私。



子どもたちを育てていくのに働かなければならない。ある程度の給料を稼がなければ、生活が成り立たない。

今の仕事は転勤があるため、家の近くで転勤のない仕事に就きたいと思うが、今の給料より低くなるので、なかなか踏み出す勇気がない。


退職していく人をいいなぁと思いながら、眺めている。