ご訪問ありがとうございます。流れ星
こちらは自閉っ子育児ブログです。
ニコニコうーさん

ニコはじめくん

ニコ一歩(いっぽ)くん 5才
よろしくお願いします。


今日は終戦の日ですね。


今回は詩(エッセイ)をご紹介。


療育園の「入園のしおり」に

『オランダへようこそ』という詩が紹介されていましたチューリップ

ダウン症児の母でもあるアメリカの社会活動家のエミリー・パーク・キングスレイによって1987年に書かれた「障がいのある子を育てる」ということについての著名なエッセイ。
日本でも漫画「コウノドリ」で取り上げられていたので、ご存知の方も多いかと思います。

要約すると

イタリア旅行(健常児の出産・育児)に行こうと思ってたのに着いたのはオランダ(障害児育児)。失望や戸惑い。イタリアに行くはずだったのに…というせつない気持ちを持ちつつも、オランダにはオランダの良さがあることに目を向ける

いうような内容


それに対して


『ベイルートへようこそ』という詩があります。


こちらは自閉症児の母でもあるSusan F. Rzucidloによって書かれた「オランダへようこそ」の自閉症児版。


最初読んだ時、


ほんとそれ!!!!キョロキョロハッ


と思いました。


『オランダへようこそ』を読んで

そんな良いもんじゃないわ〜アセアセと思っていたところにドンピシャでした。


特に家でみていた2才児頃なんかは
子どもを連れて外に出る時は戦地に赴くような覚悟が必要でしたし、家の中も毎日戦場のようでした。


ご紹介します。

『ベイルートへようこそ』


"自閉症をもつ子どもを育てる経験ってどんなのか説明して、ってよく頼まれるので、そういうユニークな経験を持たない人が、それを理解し、それがどんなだか想像する手助けをしてみると、こんな感じです。”

守るべき一人か二人の子どもが居て、幸せな人生を送っているあなた。人生は完璧で素晴らしい。子どものうちの一人が他の子とほんの少し違う・・・でも
結婚した彼のご両親に似てるといえば似てる、なんにしてもあなたはその家族に入ったんだし。事態がそんなに悪いわけじゃない。ある日のこと、誰かが後ろから近づいてきて、あなたの頭に黒い袋をかぶせる。そいつらは、あなたのお腹を蹴飛ばし、あなたの心臓を引き裂こうとする。あなたはおびえ、暴れたり叫んだりして逃げ出そうとする、でも敵がたくさん居すぎて、あなたは打ち負かされ車のトランクに詰め込まれる。ぶつけられ、茫然として、自分がどこに居るのかも分からない。あなたにいったい何が起こってるの?この状況を切り抜けられるの?「あなたの子どもさんは自閉症です」と診断される日は、こんな感じ。

あなたはベイルートに居る、戦争の真っただ中に放り込まれて。あなたは言葉も分からず、何が起こっているかも分からない。「生涯続く診断です」「神経学的な障がいです」といった爆弾が投下される。「冷蔵庫マザー」「良くなるために必要な全ては愛のある平手打ち」という銃弾がビューっと風を切って飛んでくる。時計の針がカチカチ進んで、あなたの子どもの「回復」の機会が遠ざかると、あなたのアドレナリンは激しく分泌される。こんな契約にサインした覚えは絶対ないし、今すぐ!抜け出したい。神様はあなたの能力を過大評価しちゃったのよ。

不幸なことに、あなたの辞職願を引き受けてくれる人は誰もいない。あなたは、人生、一生懸命よくやってきたけれど、あまり受け止めてもらえなかった。ほら、あなただって、それまで自閉症のことを聞いたことさえなかったじゃない。あたりを見渡すと、何もかもが同じ、だけど違ってる。
あなたの家族も子どもも変わらない、でも今や彼にはレッテルが貼られてる。そしてあなたの家族担当になったケースワーカーもいる。彼女はすぐに電話してくるだろう。あなたは迷路に放り込まれたモルモットのように感じる。(早期介入で)最初の迷路を抜け出たと思ったら、すぐにあなたは(学校という)もっとずっと複雑な迷路に放り込まれる。抜け出せるということは決してない、医療的な介入という迷路が常にある。完成されることはほぼない。

ここ以外の場所には、常に何かしらの新しい「奇跡的な」薬がある。それは何人かの子どもの助けにはなる、あなたの子どもの助けにもなるだろうか?世界でも最も優れた人々が、あなたと同じ迷路に放り込まれているとしたら、ひょっとしたらレベルは違うかもしれないけど、それでもやっぱり特殊教育迷路に取り組んでいるとしたら、そのうち薬も見つかるだろう。それらの人々と交流を持つことは、あなたが日々を切り抜ける大きな助けになる。全くなんてことだろう、でもまだ良い時はある。
警告!あなたはユーモアのセンスを伸ばし、度を越して(皮肉屋になって)しまう。
時折、あなたを殺すほどではないけど、大きく割れた傷を残すには十分な銃弾を受けることがある。はっきりした理由が分からないまま、あなたの子どもが退行する時には、お腹を蹴られたように感じる。いじめっ子がいて、あなたの子どもをからかうと、心が痛む。あなたの子どもを理由に、何かの活動や行事から締め出されたら、涙を流す。あなたの別の子どもが、障がいのあるきょうだいと一緒にいて気まずい思いをしたら、ため息が出る。保険会社が「一生涯、長く続く」症状に対するセラピーを提供することを拒んだときにはあなたの血圧が上がる。一筆書くだけで、あなたの子どもの生活の質を改善することも破壊することも可能な力を持った別の役人や医者やセラピストに電話して受話器を握りしめるとき、あなたの腕は痛む。あなたは、子どもが眠らないということで、へとへとに疲れてしまう。

それでも、希望は永遠に湧き出てくる。

そう、希望はある。新しい薬もある。研究は進んでいる。助けになる介入もある。あなたよりも先に経験して、必死に闘ってきた人たちに感謝を。あなたの子どもは成長するだろう。8歳までではないかもしれないけれど、彼が初めてしゃべった時には、あなたの心は高く舞い上がるだろう。あなたは、奇跡を体験したと分かるだろうし、喜びに満たされるだろう。ほんの小さな進歩が、あなたには大きな跳躍のように思えるだろう。あなたは定型発達それ自体にも驚くだろうし、それがどんなに驚嘆すべきことなのかを認識する。あなたと似た悲しみを知る人はほとんど居ないだろう、それでも喜びにまさる喜びを知るだろう。公園で、あなたの子どもに対して、そう言われたわけでもないのに親切に接する、汚れた顔の天使にも会うだろう。少数ではあっても、あなたの子どもに敬意をもって接し、あなたを心配し、愛してくれる看護師や医者もいるだろう。レストランやショッピングモールで、分かっているよというまなざしに出会うこともあるだろう、彼らは似た経験をしてきているから理解してくれるだろう。そうした人たちに対して、あなたはずっと感謝し続けるだろう。間違わないで。これは戦争だし、おそろしいことだ。解放されるということはないし、あなたが居なくなったら誰かがあなたの代わりに闘わなくてはならない。

でも、銃弾が飛ばなくなり爆弾が落ちてこなくなる時、戦争の小康状態というのはある。花々が見えるし、摘むこともできる。生涯にわたる友情も築かれる。あらゆる職業や社会的地位の人々と近しい関係をもつ(良くも悪くも関係が広がる)。良い時もある、そして悪いときがどんなに悪いかを知っているから、良い時はずっと良いものに感じられる。人生は良いものだけど、あなたの人生が再び普通になることはない。それでも、ねえ、普通って何がおもしろい?


和訳引用させていただきました。


だいぶ前の詩ですが、時を経ても
自閉症の子どもを持つ親には響く内容キラキラ


特に最後の部分。

自閉症児ならではの大変さの中にあるおもしろさを見つけていきたいと思います。



うーさんのmy Pick


うーのプロフィール
うーさんのmy Pick
うー