主人は

造血幹細胞採取の入院前の2日間

白血球を増やす薬を投与していた。



それによって

腰やひざといった関節が痛くなることが

多いです、と先生に言われていた。



「そんなの痛くなったところで

注射のせいか、年齢のせいかわからないね」


と二人で笑った。


主人はまさに

腰やひざが痛くなるお年頃だ。


夜、言われた通り腰が痛くなって

ロキソニンを飲んで寝ていた。



翌朝


大きなスポーツバッグに荷物を詰めていた。


え、3泊4日の入院でそんな荷物ある?


と思ってちらっと見たら

菓子パンとかスポーツ飲料なんかを

詰めていた。



遠足かい、と笑いそうになった。



主人は何かと荷物を持っていく人だ。


反対に私は

泊まりでもちょっとお買い物行ってくる、

くらいな感じの荷物の少なさだ。



入院なのに

心なしか主人はうきうきしている。


センチメンタルなアラ還は

息子の近くにいられるというだけで

うれしいのだろう。



荷物の準備ができて

主人は自転車で病院に向かった。



主人と息子が病院に入ってしまい

家は期間限定の女所帯になってしまった。

(ちなみに犬もメス)



はじめて家を「広い」と感じた。



主人は

息子と同じ病棟にある相部屋に入ったようだ。


家族LINEで

「○○号室に収容されました」


「先輩、よろしくお願いします」


と息子に送っていた。


「おう、わからんことあったら

何でも聞いてや笑」


息子もちょっとうれしそうだ。



数時間後


家族LINEで今度は

主人が私あてに送ってきた。


「談話室で息子としゃべった」


「パソコンつないでもらった」


いったい何の報告?と思うと同時に


主人のうれしそうなドヤ顔が

目に浮かびフッと笑ってしまった。



肝心の造血幹細胞は

この1日で十分な量が採取できたそうだ。


よかった。


だが念のため

明日も少し追加で採取するという。


がんばれ主人。


がんばれ息子。