犬が亡くなってから葬儀社が来るまで丸1日犬と最後のときを過ごした。
穏やかな顔でスヤスヤ眠っているみたいだ。
今にも起きてきそうだな、と思う。
やっぱり可愛いから、近くに行くとつい撫でてしまう。
保冷剤を置いているせいもあり、ヒンヤリ冷たい。
「頑張ったね。これで楽になったね」
動かないけど撫でられるし話しかけることができる。
思ったほど悲しくないのが不思議。
犬はまだここにいると思えるから。
計ってみたら犬の体長は80センチあった。
主人が棺を作ってくれた。
棺に入れる花と犬が好きなおやつを買ってきた。
息子が言った。
「庭の花も一緒に入れたら?庭が好きやったし喜ぶと思う」
なるほど、いいアイデア。
庭の植物も入れることにした。
葬儀社が来た。
お線香をあげて私と主人と息子で拝んだ。
火葬してもらうため家から犬を送り出す。
これで本当に行ってしまう。
涙が出てきた。
寂しい。
寂しい。
葬儀社の車を見送り家に入った。
こんなときでも残った者の生活は流れていく。
お昼ごはんを作らなければ、と私は気持ちを切り替えようとした。
そのとき息子がそばに来て私の肩をそっと抱いた。
また涙があふれ出た。
「いなくなったね…」
私が言うと息子が答えた。
「うん。でも幸せな犬生やったと思うで」
なんで息子はいつもこんなに優しいのだろう。
たまらなく悲しい。
でも幸せだ。