息子が

自身の今の状況を知らせるメールを

先生方に送ったところ


ほとんどの先生からは返信があったが

若干名からは返信がなかった。



なかでも

厄介だったのが

外国人の先生だ。


返信してくれたのはいいが

何しろ英語でのやり取りなので

意思疎通が容易でないのだ。


息子は

英語を苦手としながらも

「急性骨髄性白血病」

を英訳したり苦心して

文面をこしらえたようだが

彼にはうまく伝わっていなかった。


「感染症に関する出席停止期間」

の申請を保健室にしてください、と

インフルエンザか何かにかかったと

捉えているような返事が返ってきた。


もうこうなるとお手上げだ。


私は

再び大学の事務室に電話をかけ

返信がなかった先生の講義名と


英語での意思疎通がうまくいかなかった

ことを伝えて


英語の流暢な方から

正しく状況を伝えてもらえるように

お願いした。

「はい、わかりました」

こちらはすんなり認められた。



あとはバイト先だ。


息子は飲食店でバイトをしていた。

シフトの都合があるので

病気がわかってすぐに店長に

連絡したらしい。


「待ってるから治ったら

いつでも戻ってこい」


そう言われて

はじめはいつか戻る気でいた息子だが

やっぱりやめようかな、と言いだした。


「あらそう。

じゃ代わりに制服返しに行こうか?」


と言うと

「いや、自分で行く」。


大学には電話してほしいと言うくせに

バイト先には

自分で行きたいらしい。



「あ、でも死んだらお願い」



息子との会話に

こんなセリフが出てくることが

たまらなく悲しい。