とても悲しくて泣きたいのを

こらえているとき

主人はこわい顔になる。


私に

「眠れそうにない」

と言ったときも

怒ったような表情をしていた。


ただこのときは

私に腹を立てているのかもしれない

という心当たりがあったこともあり


「何かあった?」


という

結果的に私に腹を立てているわけでは

なかった主人からすると


何かあった?って

頭おかしいんじゃないか、

息子がこんなことになってるのに、


と私の神経を疑われてしまいそうな

発言をしてしまった。


私から

予想外の変な言葉が返ってきて

私が何を考えているのかをわかりかねてか


主人は

「いや…」

とそれっきり黙ってしまった。


私は

息子の病気が悲しくて眠れないのか

私に腹が立つから眠れないのか

どちらか定かではないので


「何か怒ってるんだったら言ってほしい」


などと言って

そうではなかった場合に

墓穴をほるようなことは避けたかったし


私に腹を立てていた場合


「いちばん大変なのは息子なのだから」


と諭すようなことを言って

火に油をそそぐようなことも

避けたかったので


黙り込んだ主人にならって

私もそれ以上何か言うことはしなかった。



夜中

先に布団に入って寝ていた私が

ふと目を覚ますと


主人が自分の布団に座って

暗がりの中じっと考えごとをしていた。

もしかしたら泣いていたのかもしれない。


この人メンタル大丈夫かな、と

ちょっと不安になった。



数時間後

となりの布団から

寝息が聞こえてきて

あぁ寝てる、とちょっと安心した。