大学の課題を仕上げた次の日

はじめて寝汗を訴えたときから

1週間ほどして

息子はようやっと近所の医者に行った。


と思ったら

すぐに帰ってきて

「熱のある人はほかの患者さんが

帰ってからまたあとで来てくださいって」


そうだった。

発熱しているということは

コロナの可能性があるため

ほかの患者さんと分けるのは

当然なのだから行く前に電話するべきだった。

自分が医者に行かないものだから

そういうところ常識の波に乗れていない。


指定された時間に

再び医者に行った息子は

今度はちゃんと診察してもらい

抗生剤や痛み止めなどを

処方されて帰ってきた。


検査したけどコロナでも

インフルエンザでもなかった、という

息子の言葉に

(やっぱりただの風邪だったのかな)

と少しほっとした。

やはり専門家にみてもらった安心感は大きい。


「明日は土曜日で午前中しか診療して

ないからその間に熱が下がったか

電話してください、て言われた」

そう言って息子は

処方された薬を飲み、痛み止めのおかげで

その晩は久々に関節痛からは

解放されたようだった。

しかし依然として

寝汗はひどく熱も高かったが

それも朝には微熱くらいまでに下がっていた。


起きてきた息子は

「今朝はカレー風味の肉が

めっちゃ食いたい」とリクエストした。

私は豚肉をフライパンで焼き

カレー粉としょうゆなどで味付けしたのを

息子の前に置いた。

「うんまっ」

と肉を白米とともに頬張る息子を見て

こんなガッツリ系のメニューを

朝から食べられるなんて

大したことない証拠だ、と

自分に言いきかせた。


朝ごはん食べたらちゃんとお医者さんに

電話しなさいね、と息子に言い

私は軽くなった心で犬の散歩に出かけた。