全国スギ花粉被害者の会会員の獣医師youです。
今年は2週間ほど早い気がしています。
登場人物紹介◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
:このブログの筆者です。虫歯の治療をしたら知覚過敏に。
これから数ヶ月、花粉の話題を1日1回はすると誓います。
:動物看護師長。おたアヒドグーのママ。週5日出勤に昇格(降格)
ジュビジュビうるさい私を「まじウゼェ…」という目で見てきます。
花粉の辛さを知らない人は、他人に優しくできないのかもしれない。
:おたま。5歳半児。夜の絵本をアヒルさんが選ぶと泣く。
:アヒル先生。3歳児。座右の銘は「他力本願」。
:ドグーさん。マザコンofマザコン。1歳半。
:私の大事なSwitchの画面を割る。が、ナイショらしいので黙っている。
:色々と訳があってここに集まってしまった動物たち。
:多分、花粉症。この時期になると毛が無くなるまでなめこわす。
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日本の花粉症による医療費と、杉を伐採する費用、どのくらいなのか試算したデータを見てなんとか気持ちを落ち着かせています。
5m以上の杉の木を切るには40000円/本前後らしいです。
切ったところで、安い輸入木材が増えているので採算が取れないとか。
1万本切ったら4億円と言われたら、まぁ…確かに優先順位は低いでしょうか…。
日本人の3人に1人が花粉症とのことなので、まだ少数派なんですよね。
多数派になれば状況は変わってくるのか…ブツブツ
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真面目に下痢の話をしています。
もう少しちゃんと言うと、炎症性腸疾患(IBDとも呼びます)についてお話ししています。
なぜか、このブログを書いているときに慢性下痢の子が増えています。
知らない方は、前回のお話から読んでくださいね
【イヌ】長く続く下痢は、厄介な病気かも(炎症性腸疾患について)①
【イヌ】長く続く下痢は、厄介な病気かも(炎症性腸疾患について)②
ようやく治療の話に入れそうです。
○治療は大まかに3つ
その前に前提があります。
アレルギー療法食などの食事療法に反応せず、抗菌薬治療にも反応せず、腫瘍でもなかった場合に炎症性腸疾患として治療に入っていきます。
(細かいことを言えば、もっと除外するべき病気はありますが…)
ざっくり言えば、「なんでかわからないけど(たぶん)免疫系が反応して腸を攻撃→炎症を起こしている」のがこの病気。
ですので、治療の考え方は
①免疫の暴走を抑える(免疫抑制)
②リンパ管が反応するような食べ物を与えない(低脂肪食)
③上二つの治療をサポートするその他の治療(対症療法など)
をやっていくことになります。
3つの治療法を見ていきましょう。
○治療① 免疫抑制剤
なんとなく、嫌な名前だなと思うかもしれません。
が、この治療がメインになってきます。
プレドニゾロン(ステロイド)やシクロスポリン、場合によっては抗がん剤の一種を使用することもあります。
免疫が反応しなくていいところに反応していることが原因となる場合が多いので、免疫を落ち着かせてあげるということですね。
可能な限り少ない副作用でやっていけるお薬の量を探していくことになります。
○治療② 低脂肪食
腸にはリンパ管があります。
このリンパ管が広がってしまうとタンパクが漏れ出る、ということが起こります。
慢性的な下痢+タンパク低下の時にはこの現象が起こっていることがありますが、食餌中の脂肪分を減らすことでリンパ管の広がりを抑えることができます。
治療のために、市販されている低脂肪食や、ささみ+じゃがいもor白米といった超低脂肪食を使用することがあります。
○治療③ 対症療法やその他の薬剤
基本的には、治療の①や②と併用して行うことになる治療です。
・メトロニダゾールやタイロシンといった下痢改善に使うお薬を使う
・食物繊維の一つである、サイリウム(多くの療法食に入っている便の硬さを調節する成分)の投与をする
などといった治療が行われることがあります。
○いずれにしても、一生治療が続くことがある
お気付きかもしれませんが、どの治療も根本的な解決をしてくれる治療ではありません。
多くの場合、長期間もしくは一生治療が必要になります。
また、中にはどの治療も効果がなく衰弱していくことがあり、安楽死を選択せざる得ないこともあります。
症状が重度だったり、体重が減っていく、アルブミン(タンパク)の低下などがあるとあまり予後は良くないとの報告もあります。
『時間が無い方はここを読めば大体OKのコーナー』
・治療は、免疫抑制剤を使っていくこと
・低脂肪食を使うこともある
・その二つをサポートするためのお薬を使うことも
・治療は長期または一生となる
・自信もって診断するのが難しい病気
これで大体完璧ですね
正直、炎症性腸疾患って自信を持って診断するのが難しいんです。
これまで書いたように、診断手順はある程度はっきりしていますが、必ずしも内視鏡ができるわけでもなかったり、色々な病気が重なっていたり。
そのため、手探りで治療していかないといけないこともあるので難しい病気になっている気がします。
こんな病気もありますよ、という紹介でした。
では、また来週
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知らなきゃよかった生き物の不思議のコーナー
「牛は1日に180Lの○○○を出す」
牛は草食動物。
草ってとても消化しにくいので、細菌の力を借りて発酵を行うことで消化していきます。
さらに、胃の中に入れたものを口に戻して(反芻)さらに噛むことで消化します。
この発酵という作業は食べ物を酸性にするため、アルカリ性のヨダレで中和しながら消化していくらしいです。
このヨダレの量が1日180L。
私が寝ている時にたらしているヨダレの量なんて、足元にも及びません。
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