スルメイカと肛門腺の関係について考察中の獣医師youです。
こんばんは。
登場人物紹介◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
:このブログの筆者です。虫歯の治療をしたら知覚過敏に。
肛門腺って、詳しいこと言えば肛門腺ではない。
…ですが、ややこしいし伝わらないので肛門腺でいいと思っています。
:動物看護師長。おたアヒドグーのママ。週5日出勤に昇格(降格)
毎日誰かの肛門腺をしぼる。
:おたま。5歳半児。夜の絵本をアヒルさんが選ぶと泣く。
:アヒル先生。3歳児。座右の銘は「他力本願」。
:ドグーさん。マザコンofマザコン。1歳半。
:この人が肛門から出してしまうのは実そのもの。
:色々と訳があってここに集まってしまった動物たち。
:ちょっと追いかけるとすぐに出してしまうもの、それが肛門腺。
病院犬のおこげです。
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ある日のスタッフの会話
看護師A「なんか肛門腺臭くない」
看護師B「あーー、臭い臭いどこかについてるのかも」
看護師C「めっちゃ臭いじゃーーん早く探さないと。」
その後、しばらくギャーギャーやっていたのですが…
ツカツカツカツカ
看護師A「インチョーーーーなんか肛門腺臭いんですけど、どこだかわかr…」
←おやつにスルメイカ食べていた
看護師A「臭いの院長だったあああああーーーー」
しばらく、「院長は肛門腺臭い」と言われ続けました。
スルメイカと肛門腺の臭いは同じらしい。
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あくまで都市伝説だと思って読んで欲しいです。
その中の一つに、
猫を飼うとうつ病になりやすい
というものがあるので、そりゃいかんと思い、実際のところどうなのかを検討してます。
前回のやつ
【動物の都市伝説】猫を飼うと、うつ病になりやすい…は本当?①
今回は、おそらく「猫うつ」の元となった話を中心にお話ししていきます。
猫とうつ病の間には、とある感染症が関わってきます。
○トキソプラズマという感染症
以前にもブログで書かせていただいた感染症です。
変わった名前の感染症ですよね。
国立感染症研究所の情報では、世界人口の約1/3が感染しているとされています。
免疫がしっかりしていれば、軽いインフルエンザの様な症状を出した後に落ち着く程度の感染症です。
ただし、生涯にわたって保虫者となってしまいます。
詳しくは、
「【ネコ】妊娠中はネコとどの様に接するべき?(トキソプラズマ症について)①」
を読んでみてください。
○「キレやすい人」とトキソプラズマ感染症の関係
突然キレて、理不尽に怒る人っていませんか
物を破壊したり、他人を傷つけることもあるとのことです。
その様な症状を持つ方を「間欠性爆発性障害」というらしいのですが、これにかかっている人のトキソプラズマ抗体陽性率が約22%というデータがあります。
健常者のトキソプラズマ抗体陽性率が約10%なので、約2倍。
トキソプラズマ感染がキレやすい原因の一つになっているのかも…という論文の抜粋です。
○自殺率とトキソプラズマ感染症の関係
2011年に発表された論文に、トキソプラズマ陽性率と自殺率には関連性がある、というものがあります。
トキソプラズマに感染していた人は、感染していない人に比べて自傷行為や自殺のリスクが高かったという結果が出ています。
また、抗体の数値が高い人ほど、そのリスクは高かったという結果にもなっています。
なんだか雲行きが怪しくなってきましたね…。
○トキソプラズマは精神に影響を与える
これらのことから、どうやらトキソプラズマは精神に影響を与えていそうだなと思うことでしょう。
中枢神経系に寄生するということからも、なんとなくそうなんだろうと思います。
トキソプラズマをマウスに感染させた実験では、セロトニンの分泌が減るという結果もあります。
「うつ」とは、セロトニンの分泌が減っている状態…でしたよね。
ただ、気をつけなくてはいけないのがこれらの研究は、「トキソプラズマが自殺などを引き起こしている」ということを証明したものでは無いということ。
まだまだわからないことは多いみたいです。
○結論
今回の「猫を飼うと、うつになりやすい」という話は、トキソプラズマといえば猫から感染するんだよね…という、ある種のかたよった考え方から生まれたものと思われます。
上で紹介したブログを参照してもらえると嬉しいですが、トキソプラズマは多くの場合、生肉を食べたりガーデニング時などの土壌から感染するものです。
もちろん、感染した猫のウンチからも感染はしますが、限られた条件下のみとなります。
ということで、この都市伝説は「ウソではないが、飛躍しすぎた表現の内容」である可能性が高いという結論でしょうか。
そもそも、トキソプラズマがうつの原因かどうかもはっきりしていないわけですし。
この噂を聞いて、猫を飼うのはやめよう…と思う人がいたら悲しいものですね
『時間が無い方はここを読めば大体OKのコーナー』
・トキソプラズマに感染している人はキレやすいかもしれない
・さらに、自傷行為や自殺する人もトキソプラズマに感染している率が高い
・これらのデータから、トキソプラズマは精神に影響を与える感染症の可能性
・トキソプラズマって猫から感染するよね?→猫を飼うとうつになるという噂が出た
・トキソプラズマの多くは、生肉を食べるなど別の原因から感染する
これで大体完璧ですね
本当に猫が悪いのか証明したデータはどこにもない、というのが今回の結論でした。
動物にまつわる都市伝説って面白いですね。
これって本当なのという話があったらぜひ教えてください。
では、また来週
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知らなきゃよかった生き物の不思議のコーナー
「ダツは夜になると○○○に飛び込む」
ダツという魚をご存知でしょうか。
細長ーい矢のような形をしています。
普段は水面にいるキラキラとした小魚を食べているのですが、夜に見える船の光も同じように見えるらしく、間違えて飛び込んできてしまうそうです。
ただし、場合によっては人に突き刺さる速度で突っ込んでくるので、サメより危険とも言われています。
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