昔話。 | 茨の海

茨の海

在りったけの花で飾って そして崩れ堕ちて 何度でも 正しくなど無くても 無くても

僕には
2つ年下の弟がいます。

昔、まだ大阪に住んでいた頃
弟は坊主頭で

年は僕が6歳で
弟が4歳ぐらいだったかな?



髪が伸びた弟を見て
実父の姉(以下ママ)と
その旦那(以下パパ)は

バリカンを取り出して
髪の毛を刈り始めた。



でもパパは弟に
「よぉし、○○(←弟の名前)。パパがウルトラマンカットにしたろか?」

と、言い始めた。



ウルトラマンカットと聞いて弟は
嬉しそうな表情を浮かべ
うん、と即答。


快い返事を貰ったパパは
嬉しそうに弟の髪を刈る。




出来上がった髪型を見て
大満足なパパと弟。


ママは若干苦笑い。




4歳の弟は
見事なモヒカン頭。








あ か ん や ろ 、 そ れ !












幼心に僕はそう思うも
嬉しそうな表情のパパと弟に
何も言えなかった。




数日後
弟と近所の公園で遊んでいると

数人の小学生か中学生ぐらいの男の子が
チャリに乗ってやって来た。




その男の子達は
僕の弟の髪型を見ると爆笑し
からかうように
弟を取り囲みチャリで
グルグル回り始めた。


弟は自分の髪型は
ウルトラマンカットなんだと
必死に説明している。


姉として
弟を助けなければという使命感に
駆られた僕は

助けたいものの

相手は遥かに年上のお兄ちゃん。


助けれる訳もなく
半泣き状態で家に戻り

家にいた祖父に
弟が大変な状態下にある事を説明。



祖父は
慌てて僕と一緒に公園に行き
チャリの男の子達を
蹴散らした。



そんな祖父の格好は
ステテコ姿。



カッコいいのか
恥ずかしいのか良く分からない。




祖父にパパは怒られ
弟のモヒカンは

その日の内に
刈り落とされました。






幼少期の懐かしい思い出。
誰にでも有る、懐かしい昔話。






モヒカンを
ウルトラマンカットだと

信じて疑わなかった弟も
今や1児のパパ。


息子が弟にそっくりで
坊主頭にしてるんだけど


是非、息子にも
モヒカ…
いや、ウルトラマンカットをして頂きたい。