先月末に95歳で他界なさった、元NHKの名アナウンサー・鈴木健二さん。挨拶の大切さを伝えたく仰ったことばが、
「挨拶とは心を開いて相手に迫ること」
これを、私は以下のように英訳しました。
What is a heartful hello? It is to open up your heart and get one step closer to the person in front of you.
この「挨拶」はgreetings の一語で片づけられない。鈴木さんはそこに「心の仕事」を見出しておられて。覚悟に似たモノがあるけれど、仁義を切るような大げさはない。人間関係にプロトコル(protocol)あり。その始まりとなる、ひと言が挨拶です。英語のあいさつはハロー。ハワイではアロハ。日本語の「こんにちは」は、気持ちを込めて言いましょう。そう仰っておられるような。
「相手に迫る」をどう扱うべきか…。威圧感を与えてはいけない。ソーシャルディスタンスを少しだけ縮める。そんなイメージで訳しました。
鈴木教授、私の訳文に評点をいただけるでしょうか。 ご冥福をお祈りいたします 高野 晴夫