36話 もうすぐ10年が | love storys  ~17歳、私と君と。~

love storys  ~17歳、私と君と。~

どれだけ、時間が戻ればと思っただろう。

どれだけ、彼が愛おしいと思っただろう。

どれほど・・・

       私は君との未来を願っただろう。

クリスマスイブの外は喧騒であふれている。


それとは対照的な、この空間。


静寂に包まれているここは、なんだか異様な雰囲気だった。


直樹の手が由紀の体に触れる。


「・・・っ」


ビクッと体が反応した。


緩やかに確実に進んでいく前戯。一つ一つに、由紀は甘い声を出しながら、直樹を感じた。


服の中に手を入れてくる直樹。由紀は、それを拒むことなく、なすがままに身をゆだねる。


けれど、服を脱がそうとしてきた時、一瞬だけひるんで、思わず待ったをかける。


「ちょっと待って」


それは嫌だったという訳じゃなく、恥ずかしかったから。


光で包まれたこの部屋で直樹にまじまじと見られるのは恥ずかしすぎるのだ。


くびれができているわけでもなければ、胸が大きいわけじゃない。


由紀の体は、貧相で好きな人に見せられるほど、誇れる体ではなかった。


「電気・・・消さない?」


「わかった」


明かりがぱっと消えて、薄暗い闇の中。


由紀と直樹は裸になって・・・。


「痛い?」


直樹が聞いた。


「痛いよ。すごく」


でも、大丈夫。そう続けた。


「じゃあ、ゆっくり動かすから」


一度動くたびに、痛みが襲う。けれど、その痛み以上に、直樹を感じれたことが幸福だったんだ。


最初の人は直樹がいい。直樹以外は考えられない。


由紀には直樹しか見えないんだ。




暗がりの部屋を由紀は足音をたてないように歩いて、真帆の横に座る。


そして、真帆が寝ているのを確認した後に、そっとプレゼントを置いた。


「メリークリスマス」


その言葉を添えて。


まだ真帆はサンタクロースがいるのを信じている。


そんな、真帆の夢を壊すことなく、由紀と浩平は毎年二つのプレゼントを用意する。


親としてのプレゼントとサンタクロースとしてのプレゼントを。


リビングに戻ると、真帆、寝てた?ソファでテレビを見ていた浩平が聞いてきた。


寝てたよ。


由紀はそう返した後、浩平の隣に座った。


「浩平はいつまでサンタクロース信じてた?」


由紀は浩平に聞いた。


「ん~・・・小3くらいまでかな」


「そうなんだ。なんでサンタクロースなんて文化があるんだろうね」


ふとした疑問を投げかける。


「なんでだろうな。幻想を信じることで夢を与えられるからじゃん?」


「夢・・・ねぇ。じゃあ、私もサンタクロースを信じたらくるのかな?」


「急にどうした?」


浩平は苦笑しながらテレビから由紀に視線を移した。


「私、欲しいものがあるんだよね」


失ってから、ずっと所望している物。それは10年もの間色褪せず依然、由紀の心にとどまる。


「へぇ、何が欲しいんだ?」


「秘密」


浩平にそれがなにかなんて言えるはずがない。


「なんでだよ」


「なんでも」


由紀の欲しいものは直樹。誰よりも、なにもよりも大切で、誰よりも愛した人。


すべての初めてを捧げた人・・・。




もうすぐ経つ。


直樹がいなくなってから10年が・・・。





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明日返します><


展開がかけ足になってきました。


なんだかんだで50いかなそうですw



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クオリティー低いなぁ・・・w